第14話 仕掛けとは

カクヨムコンテスト10を目前に控え、準備万端で待っていらっしゃる方もいるのでは?と思いますが


https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon10_next01

↑以前ご紹介した、『カクヨムコンテスト10』の短編で編集部が求めているもの


の中で出てくる『仕掛け』という言葉。


私も前ページに記しましたが、別に推理小説のようにトリックをつくれということではありません

恋愛ジャンルに関して言うと、『仕掛け』とは作者が伝えたい『何か』を工夫することです


作者が伝えたいメッセージや想い、時代背景、登場人物のモデル、セリフの意味など、読む度に新しい発見が組み込まれている

これが『仕掛け』ということです


本拠地から転載した『オーバーキル』で説明すると、

主人公の仲村 桃子とうこは、両親と幼馴染の匠刀以外には「『』と呼んで下さい」と自己紹介するほど、名前に独自性を持ってます

単に、『モモちゃん』の方が呼びやすい、分かりやすいというのもあります

桃子と書いて、『とうこ』と読める人はまぁいませんから。


それが、後に恋人となる匠刀との秘密の合言葉みたいになり、特別感を感じることができて、尚且つ別れた後、数年後に再会した際にも『とうこ』と呼ばれることで、脳内ですぐにスイッチがONになるわけです。

だって、『とうこ』と呼ぶのは特別な人でしかいないわけだから。


ヒーローの匠刀のちょっとぶっきらぼうな口調も、一貫してラストまでぶっきらぼうです

ですが、単に高圧的な態度という意味でのぶっきらぼうではなく、好きな子を前に不器用さが出てしまう面と、遠回しが嫌いという側面があります。


(ネタバレになりますが)

ラストのプロポーズシーンは、ありえない言葉で括られています

これも、それまでのヒロインの心臓に抱える病のことやヒーローの飾りっ気のないぶっきらぼうな口調を活かしたセリフです

その場に居合わせた家族からはもちろんブーイングなシチュエーションとセリフですが、主人公二人にとったら、ここまで到達できたことに意義があって、シチュエーションはどんなものでもよかったのですよ

それだけ、『結婚』を意識することにハードルがあったので。


初々しい高校生時代からは想像もつかない結末ですが、難病を抱えていても、他の人と同じように希望を抱ける、夢が叶う、そんなストーリー構成です


セリフは、きゅんとなるような言葉はもちろんですが、セリフそのものに伏線を忍ばせるというのも工夫の一つです

『仕掛け』と聞くと、どうしてもミステリー要素的に、ラストで逆転するような出来事というイメージが先行しがちですが、恋愛においての仕掛けとは、ラブ展開へのスパイス材料だと思って下さい

隠し味がない作品は味気ない作品になってしまいます

もちろん、素材の美味しさはあるでしょう

ですが、読者を唸らせる隠し味がちゃんと効いている作品を、編集部は求めています


なので、この部分を丁寧に。

しっかりと構成部分で緻密に練った上で仕上げるのがコツですよ~



コンテスト向けに~~ということでここ何頁か書いて来ましたが、

殆ど、必要なことは書いたと思います

強いて言うなら、必須のシーンというものが足りないかな?というくらいで。


ブレない設定

読者を惹き込む構成

斬新なキャラ

読者を唸らせる仕掛け

いい意味で、読者を裏切るラスト


これらを踏まえた上で、編集部が求めているストーリーを組めば宜しいかと思います(上に添付したURLからご確認を)


皆様にとって、楽しい創作活動の時間が訪れますように

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恋愛小説 ♡ サロン 蓮条 @renjoh0502

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