第6話

「渡瀬の、その、なんだ、スカートとか化粧とか……そういう格好はさ」

「女装って言っていいよ、分かりやすいし」

「その女装は、何か目指すところがあるのか?」

「あまり深く考えてるわけじゃないけどね。一応、この格好で仕事に行ったり、普段の生活を送ったりするのが目標になるのかなあ」

「なるほどね」

「でも、今のところこういう格好をしているのは青田と会うときだけだよ。まだちょっと度胸が足りなくて」

「そりゃ光栄なことだ」

「もっとありがたみを感じてくれてもいいんですよ???」



「とにかく、渡瀬の女装はいわゆる趣味とはちょっと一線を画するわけか」

「うーん、そのあたりも含めてはっきりさせないのも生き方かなって。ふふふ」



「あと、目標とはちょっと違うかもしれないけど。青田がいつかこう言ってくれれば、女装している僕も、僕自身も、すうっと成仏できるのになあ、みたいなのは、ある……」

「可愛いよ」

「いきなり成仏させるなあああああ」

「いや、そう言われたいんだろうなと思って」

「まだ始めたばっかりだから! もう少しレベルアップの機会をください」



「あと、本当はそのセリフじゃないし……」

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青田と渡瀬 魚飼 @uokai0224

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