僕らが愛したのは君以外なかった。
ソノハナルーナ(お休み中)
第1話 八重幸久編
『せんせ、ぼくは変ですか?』
『変じゃないよ。君は至って普通だよ。ただ、君は薬を飲まないと君の色んな面を持つ自分がバラバラになって大変になるんだと思うんだ。だから、お願いだから薬を飲んで欲しい。いいかい、薬はそれだけ大切なものなんだよ。君にとって命と同じくらい大切なんだ』
『そうなんだ、じゃあ。ぼく、せんせのために薬飲むよ』
そんな会話が20分くらい精神科の診察室の中で交わされた。
ぼくの名前は八重幸久(やえゆきひさ)。
ぼくは、高校卒業後、大学に進学して卒業後就職後に双極性障害を発症し、今のメンタルクリニックに通院している。
その後、無職期間を経て、就労移行に通いながらB型事業所を探している。
そんなぼくに発覚した新たにふたつの障害。
解離性障害。
ASD(自閉スペクトラム症)。
ぼくは、解離に悩まされてる。
ぼくは、緊張すると人前で自分を保てなくなる。
解離して他の自分が出てきたり、自分がどこにいるのかさえ分からなくなる。
ぼくは、生きること自体がハードモードだって知った時、悲しかった。
せんせに働けない理由を聞かされた時、ぼくは苦しかった。
怒りより悲しみの方が多かった。
ぼくには興味があることがある。ぼくは人の血が好きなんだ。せんせも知ってる。親は知らない。言っても気持ち悪がられるだけだから。
ぼくはいつも心の気持ちが切迫してる。
生きることへの執着心より死ぬことへの興味が大きいからかもしれない。
ぼくは穴に落ちたように、自分の気持ちから抜け出すことができないからだ。
だから、ぼくはせんせに問いただす。
『生きるってなんだろう?』って。
僕らが愛したのは君以外なかった。 ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet
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