第33話 カタツムリと運動会4
「……さん、彼氏さん……」
誰かに呼ばれた気がして、気がついた。
今もしかして気を失ってた?
「大丈夫ですか?」
カリンさんが僕を心配そうに見下ろしている。
「ああ、終わりました?」
「はい、終わったんですけど彼氏さんが気を失ってしまったので」
「気持ちよくなっちゃっただけだから大丈夫って言ったんだけどね」
マイさんが口元を拭いながらそう言った。
「だとしても、心配はします」
「大丈夫です。ありがとうございます」
姿勢を正す。まだカリンさんと手を繋げているようだ。良かった。あれだけやってポイントが無駄になっていたらバカみたいだもんね。
「次はカリンさんの番ですっけ?」
「はい、振りますね、1です」
僕たちが進むと、ウィンドウが開いて選択肢が現れた。
『カジノゾーンに移動できます。移動を選択した場合、他プレイヤーとのポーカーを行います。手持ちの資金をチップに勝負が行われ、順位により報酬が決定されます。1位以外の場合は資金が減りますが、カジノゾーンへの移動を行いますか?はいorいいえ』
「どうします?」
「私はポーカーのルールよく分かってないよ、役の高さくらいしか」
「私もですね」
「僕は一応ゲームができる程度には分かりますけど……」
リアルでやったことはないんだよね。
「せっかくだからやろうよ」
「お2人に任せます」
「それじゃあ、僕メインでやりますね」
自信はないけど、とりあえずは挑戦しよう。プレイヤーが相手ならあれが見えるかもしれないし。
「じゃあ、押しますよ」
はいを選択すると、崖の上だった周囲が、ポーカーテーブルが並んだカジノみたいなところに変わった。部屋の真ん中に円形のバーカウンターみたいなのがあったり、遠くにはスロットのような機械が置いてある。
そして僕たちの前のポーカーテーブルにはディーラーみたいな服装のお姉さんと、プレイヤーと思われる見知った顔が何人か並んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます