### 第17話:悪夢と家族の温もり

ある夜、家が静まり返り、家族全員が深い眠り


についている中、陽菜が突然ベッドの中で目を


覚ました。彼女の小さな体は汗でびっしょり


で、目には恐怖の色が浮かんでいた。彼女は何


か悪い夢を見たのか、胸がドキドキと高鳴り、


涙が頬を伝い始めた。


「ママ…パパ…」


陽菜は小さな声で両親を呼びながら、ベッドか


ら降りて、足早に両親の寝室に向かった。



寝室にたどり着いた陽菜は、まだ泣き止まない


まま、レンとサクラのベッドの脇に立ち、震え


る声で


「パパ、ママ…怖い夢を見たの…」


と泣きながら訴えた。


### 両親の温もり


サクラが最初に目を覚まし、陽菜の声を聞いて


すぐに彼女の手を取り、優しく抱きしめた。


「陽菜、どうしたの?怖い夢を見たのね。大丈


夫よ、ママとパパがそばにいるから、もう怖が


らなくてもいいわ。」


サクラの言葉に少し安心した陽菜だったが、ま


だ涙が止まらず、さらに強くサクラにしがみつい


た。



その声にレンも目を覚まし、陽菜の様子を見て


すぐに彼女を抱き上げた。


「大丈夫だよ、陽菜。パパとママが一緒にいる


から、もう怖くないよ。ここでパパとママと一


緒に寝ようか。」


陽菜はレンの胸に顔をうずめ、泣きながらも


「うん…パパ、ママ、そばにいて…」


と静かに頷いた。



レンとサクラは、陽菜をベッドの真ん中にそっ


と寝かせ、両側から優しく彼女を包み込むよう


に寄り添った。陽菜は二人の温もりに包まれ、


少しずつ落ち着きを取り戻していった。


「もう大丈夫よ、陽菜。パパとママがずっとそ


ばにいるから、怖い夢はもう見ないよ。」


サクラは優しく陽菜の髪を撫でながら言った。



レンも陽菜の小さな手を握りしめ、


「陽菜が怖がらないように、僕たちが守ってい


るからね。安心しておやすみ。」


と微笑んで言った。


### 安心の眠り


陽菜は両親の優しい言葉と温もりに包まれなが


ら、ようやく安心して目を閉じた。彼女の心は


次第に穏やかになり、少しずつ眠りに戻ってい


った。



レンとサクラは、陽菜が再び眠りにつくのを見


守りながら、彼女が悪夢を乗り越えたことに安


心した。


「陽菜がこうして安心して眠れるのは、私たち


がそばにいてあげられるからなんだね。」


レンは静かに囁き、サクラに微笑みかけた。


「そうね。これからも、陽菜や陽斗が怖がった


り、不安になったりしたときは、私たちが支え


てあげなくちゃね。」


サクラも優しく答えた。



こうして、レンとサクラは陽菜を挟んで静かに


眠りについた。家族全員が一緒にいることで、


どんな悪夢も乗り越えることができるという、


温かい絆を再確認した夜だった。



翌朝、陽菜はいつものように元気な笑顔で目を


覚まし、昨夜の悪夢はすっかり忘れていたかの


ように、両親に


「おはよう」


と明るく挨拶した。



レンとサクラは、その陽菜の笑顔を見て心から


安堵し、今日もまた家族全員で幸せな一日を過


ごすことができることに感謝した。



こうして、家族はこれからも互いを支え合い、


どんな時でも一緒にいることで、安心と愛に満


ちた日々を送っていくのだった。


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ステージを超えて、君と永遠に 牡蠣 @pinchmaru

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