頼む!大根脚の女を三人集めてきてくれ!
@k0905f0905
第1話
「ハイ、そこまで」
劇団ハイソックスの演出家木山雄一は
いいキャストが揃わないので苛立っていた。
「あのーっ、木山さん。わたしの演技の
どこが悪いんでしょうか?」
主演で看板女優の緑黄砂が木山に
不平を言い立てた。
「どこも悪くない。パーフェクトだ。顔も
スタイルも演技も。すべてが完璧だ」
「それなら」
「あのね、黄砂くん。わたしが求めているものは
そんなものじゃないんだよ」
「木山さんが求めている俳優って
どんな感じの女性なんですか?」
「聴きたいか?」
「ええ」
「大根役者だよ」
「えっ?」
「黄金の大根脚を持った女優が三人ほしいんだ」
木山がうおおおおーっとうなって。からだを
のけぞらせた。
「比喩ではなく?」
「本物の純金の大根脚を持った女性が
この世界のどこかにいるはずだ。探せ!今から
団員総出で探せ!」
木山が発破をかけた。
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