GOTYA✖️2

第1話 いつも

この家はゴチャゴチャしている。

物で溢れ返ってるとか、ゴミが散乱している訳ではない。築十数年の戸建てで、多少の壁の汚れやフローリングの傷などがあるものの至極普通のありふれた家である。

何も面白い物がない町の、閑静すぎる住宅街の一角に家がある。

近所の家々も特に目立った家はなく、ちょっと変わった住人が多く住む路地にあるこの家は、ほとんど客もなく常にひっそりとしている。

もっともただ1人(というか1匹)だけ、近所の住人の出入りや、配達のトラックの音などに敏感に反応し声を出し続けるものがいるが、それ以外はとにかくひっそりとしている家だ。

私はこの家に住んでいる。

別段住んでいて不便を感じることは無いのだが、ゴチャゴチャのせいだろうか...

居心地は良いとはいえない。

どうも落ち着かないのだ。自分の家ではあるのだか、何故かあまり交流のない他所様の家にいるような居心地の悪さである。

ゴチャゴチャ、

やはりこの家にぴったりの表現である。