第5話『ASMRを聞かせてくれるドジっ子お姉さんとのその後』
「……て」
「……きて」
「…もう、起きてってば!」
「もう、またイヤホンつけっぱなしで寝落ちして…良くないんだからね~?」
「全く~…何を聞いてたのよ?」
「…えっ!?こ、これ…私が昔送ったASMRじゃない!?な、なんで…」
「…え?『君とこのASMRに励まされたからずっと聴いてる』…?もう、バカぁ!」
「そ、そういうのは本人が居る前で言うものじゃ無いでしょ!?」
「そ、そそれに…」
「今は、録音じゃなくて…生音で聴き放題…だし………」
「…あっ!な、何笑ってるの!け、結構恥ずかしいんだからね!?」
「ま、まあ…キミのためだったらいくらでもやってあげるけど…」
「…もー!ニヤニヤしないー!」
「もう…ばかっ」
ドンドンドン…(廊下を走る音)
『お姉ちゃ~ん、お兄ちゃん起きた~!?』
「も~!美優~!今起こしたから~!」
「あはは…ごめんね…?妹が相変わらず騒がしくて…」
「…え?いつも思うけど送ってもらったASMRそのままだって?た、確かにそうかもしれないけど…」
「賑やかな方が毎日たのしいから良い?ま、まあキミがそう言うなら…」
「………え?そういえばASMRそのままと言えば、生活音も本当にそのままだった…って…」
「………~~~っ!も~~~!ほんっとにバカバカ!」
「はぁ~…勢いとは言えあれは本当にやり過ぎだったと思ってるんだからね!?」
「だって…だってあんな…恥ずかしすぎる…」
「へぁ!?そんな生活音を毎日側で聴けて幸せ!?」
「うぅ…嬉しいけど…嬉しいけどぉ…それはちょっと恥ずかしすぎるっていうか…」
「あ~~~も~~~!とにかく!早く起きるの!美優も呼んでるんだから!」
「それにASMRが聴きたいっていうなら…夜に一杯聴かせてあげるから…ね?」
「…あ!ちょっと駄目よ!今は駄~目~!駄目だって!も~!」
「も~…じゃあちょっとだけ…」
ドンドンドン…(勢いよく階段を登る音)
ガチャッ!(勢いよく扉を開ける音)
『ちょっとお姉ちゃん!?お兄ちゃん!?何やってるの!?さっき呼んだじゃん!』
「あ!美優!?ち、違うの、これは…その…」
『…あ!ふ~ん…?へえ…お兄ちゃん、やっぱり好きなんだね~?』
「あ!こら!美優!」
ふ~っ(耳元に息を吹きかける音)
『こういう事されるの、大好きなんでしょ~?』
「美~優~?」
『あははっ!冗談だって~。ほらほら、ごはん用意してあるからさ~、早く起きなよ~?』
「もう…相変わらずなんだから…」
「…あ!ちょっと満更でもないって顔してる~!も~!」
「全く…」
ふっ(耳元に息を吹きかける音)
「うふっ!美優の方が良いな~って表情したお返しよ?」
「物欲しそうな顔しても駄~目。続きは夜に…ね?」
「さて、あんまり遅くなっても良くないし…それじゃ…そろそろ行きましょうか、あなた?」
幼馴染のドジっ子お姉さんがASMRを送ってきてくれる @yumebon
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