コミケ(コミックマーケット)でジャムおばさん(親子)と… 2/3

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「コミケの買い占め問題」コミケ会場にいたのは、同人誌を売る人、何かの集まり(サークル)にコスプレイヤーなど…だけじゃなく~!

 ふう…。

 前回の話のコミケ不安も、何とか解決?

「無事に、着いたぞ!」

 会場は、駅からの電車移動で計30分というところ。

 あのおばさんと会ってから、乗っていた電車の車両を変えた。

 ラスボスっぽい悪霊と、顔を合わせたくなかったから。

 とにかく、彼はコミケが楽しみ。

「だれでも参加できます」

 その気軽さが、良いんだ。

 いつもえらそうにしている政治家のおじさんとかが、同人誌を売っていても良い空間だし。

「…けど。このコミケ、何か変」

 会場の中の、ミニテントが張られた1つのブースで、おかしな声が飛び交う。 

「ジャムは、いりませんかー?」

 何、それ。

 1人の年輩女性が、会場の端で、同人誌系コミックなどではなく、「イチゴジャム」やら「リンゴジャム」を売っていた。

「この会場の物は、私が買い占めましたからね!」

 …はあ?

 今日は、そのおばさんに商品を買い占められたコミケらしい物がなくなってしまい、代わりに、ジャムが売られるしかなくなってしまったということか。

 なぜ、ジャム?

 それに、おばさんはどんだけ金を持っているんだ。

「皆、呪われている!」

 ふと、最近問題のある言葉を思い出した。

「コメの買い占め」

 その、ランクアップ版?

「コミケの買い占め、か…」

 被害、ハンパなさそう。

「アホらしい…早く、帰ろう」

 うわさのコミケおばさんと思われる年輩女性を、チラ見。

 と、そのときだ!

「何~?」

 おばさんが、横に、ちょこんと男の子を座らせているのがわかった。

「ねえ、おにいちゃん?ジャム、かっていってよ」

 何だ、このガキ?

「1つ、いかが?良いジャム、だよ?」

 おばさんまで…。

「はい、はい。じゃあ、1つください」

 彼はもう、あきらめモード。

「そう…。2つですね?」

「いえ、1つで大丈夫です」

 そう、答えたとき。

 おばさんの目が、キラリと光った。

「お客さん、待ちなさい!」

 げ。

「お客さん?あんた今、大丈夫ですって言いましたよね?」

「…あ」

 考えてみれば、「大丈夫」って何?

「いる」

「いらない」

どちらの意味なのか、混乱する言い方だ。

 あのおばさんは、その言葉遣いに納得いかなかったのか?

「逃げろ!」

 一目散に、コミケ会場から去る彼。

 が、悪霊バトルは終わらず!

 残念な最終話に、続く!






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