精捨聖鮮

イタチ

第1話

精戦千戦 


女の肌が、なまめかしく

男にまたがる

筋骨隆々な男の体は

質量でいえば、女の倍はあっただろうか

あつい胸板の上

女は、微笑みを浮かべた

男の太い眉は、歪む

「クソが」

女の下、男の呼吸が、ゆっくりと事切れていた



「しかし、いい天気だな」

田舎の土道を、きくづした浪人風の男が、歩いて行くが、刀の鞘さえ

その腰には下げられておらず

髪は、かなり昔に結われているのであろう

何処からか髪がはみ出している

解れた草履を進めていると

目の前をトラクターが通り過ぎる

麦わら帽子をかぶった老人が、怪しそうに、その着物姿の男を見ながら

車道に戻っていった

「実に、いい天気だ」

男は、再度そう呟いたが

唯一、腹だけが、大きな音を鳴らした以外は、あまり変わりばえはしなかった


「彼奴が来ていると言うのは、本当か」

掘立小屋

むさくるしい男たちが、部屋の中に充満しており

みなふんどし一丁であった

扇風機さえないその場所で

みな、無精ひげであり

その目には、鋭い光がたづさえられている

「ああ、もしかすると、もしかするかもしれない」

誰の声だろうか、それは、嗚咽を混じらせて聞こえた

その時、遠くの方で、足音が聞こえる

それは、数人だろうか

小屋の人間が身構える前に

唯一

中に明かりを入れていた入口に影が混じる

見ると、そこには、女が三人立っていた

「っあ、悪魔」

かすれた声とともに、その女たちは、小屋の中に入り込んだ

「皆様方、よろしくお願いしますね」

男の体に、入り込むように、横には女がいる

共学に目を見ひきらく男の行動を、見ず知らず

そのふんどしは、開かれ、結合が開始されている

「やっやめてくれ」

言葉とは裏腹に、一人の男は、事切れていた

「ややめろ」

白い精液が、ぼろぼろの畳に、飛び散る

悲鳴とは裏腹に、その体に、外部的裂傷は、見られない

それはもちろん内部でもだが

しかし、男たちは、まさしく生を、吸引されていた

「弱い、弱すぎる」

男の一人が自らの不甲斐なさに、涙を、流す

「すいませんね」

その言動に感情は混じらない

自分の下で、また一人男がこと切れていく

「でも、私も死にたくはないので」

部屋には、誰一人、女たちが来る前にいた人間の呼吸は、響かない

ただ、女たちの股間からは、白い精液が垂れ

それを隠すこともなく

女は、着物を、着ると表に出ていこうとする

「あらあら、おねいさんがた、会合は、もう終わりですか」

男が押しとどめるように、内側に入ってくる

何者だ

一人が辺りを見ているその間に

男の口が、女の口をふさいで空いた

っあ

何か言う前に、男の手は、男たちの精液の中を、女の膣内に、

入り込んでいた

それは、愛撫ではない

ただ逝かせるだけの苦行

相手のことを考えず

ただ、快楽のその先の苦痛を撫ぜる行為であった

「おっお前、何者だ」

背後の女が、掴みかかるように、男に入り込んだが

その発せられる言葉に対する答えは

男に抱えられたまま死んでいる女の姿だった

「技ものか」

二人の女は、直ぐに、その男に組みふそうとしたが

軽くあしらわれ

背後をいつの間にか取られた女の股間には、男が割って入り

いつの間にやら、挿入されていた

元々別の人間の体液により

直ぐに男根を受け入れたそこは

男の鉄のように硬い物に、一突きされていた

「ぁあ・ああ・あああ」

女のそれは、呻きだった

人間には、体を開きにしたときに、中心にして弱点がある

額 鼻 口 喉 等々

そして、同等にして

男は、女の体つきから

その女の弱点を、把握している

それは、顔つき 行動 言動

あらゆるところから統計が取れている

しかし、男の恐ろしいところは、それを、的確に、それ以上に、把握している

それは一種 天才と言っても良い

「おっお前は」

女は、もがくこともできず

それさえ諦めたように

体の前を割られ

そのペニスが

内部に入り込む前に聞く

「だれだ」

事切れる寸前

女の雄たけびにも似た如来の叫びの中で

その外道の声を聴いた

「種亡 長胸」

腕の中の女を下ろしながら

そこら辺の着物で、竿を拭うと小屋の外に出る

相変わらず、何もない中、男の腹は減って居た



「お願いしますよ、師匠」

やせみの男を前に

Tシャツ短パンの膨れた男が言った

白髪の老人は、師匠と言われた男に細い目で、口の上の髭を僅かに揺らした

「無茶言うな、お前程度では、到底、直ぐに、殺されて、おしまい

佐前も、行ったっきり音沙汰なしだ

お前も弟弟子なら、ここのルールを弁えて、その上で、行動したらどうなんだ」

男は、畳に額を、こすりつけた

「そう言われても、これ以上は」

師はゆっくりと首を横に振る

「お前は、まっすぐすぎる

もう少し訓練が必要なのだ」

じゃあ、じゃあ、どのような練習を積めば

師匠はその言葉を、遮った

「実地だが・・無理だろう」

その時、ふすまをぶち破るように

男が、投げ入れられた

その体は、縄で巻かれ

身動きできるのは足ぐらいであろう

「田島清兵衛

よく来たな」

言葉とは反対に、男は、死んだカエルのような目を、目の前に座る老人に向ける

「二度と会いたくなかったよ師匠」

男の大口は、ゆっくりと開いた

「まあ、そう言うなよ弟子

お前も、そろそろ死に時だとは思わないか」

目の前の男に、老人は、笑い声をかけるが、声色の安定は、心の動きを言ってはいない

「師匠、勘弁してくださいよ、俺なんて下っ端」

弟弟子に、師匠が、ズボンを脱がせという

男は、何をやっているんだという目を向けるが

「すいません」と、そう言うとゆっくりとズボンを脱がす

そこには、奇妙な光景が現れた

白いふんどしの両側

腹から何かが男の股間に伸びていた

「捲れ」

師匠の言いつけ通り、その白い暖簾をめくると

ゆっくりと、白い霧が上がる

「湯気」

そう一瞬思ったが

違う

僅かに冷たい冷気を、弟子は感じた

冷やしているのだと

そのパッドのような巾着は、男の一物の下をつつんでいた

それは、酷く大きく

それを、言われるままに開く

それは目を見張るものがあった

ポンカン程の大きな玉が二つその袋の中に仕舞われ

袋はいまだに、冷たい冷気を手に当てた

「上手く行ったようだな田島」

男は首を振る

「いえ、まだまだ、足りません

あれに勝つには、あまりにも」

老人は、肩に手をかける

「まあ、そういうなや、田島

もうそろそろ、死に時だと、さっきも言っただろ

そうだ、何に使っても良い

これを連れて行ってもらえないか

なあ、田島」

いやそうな目を、いまだに、金玉を、持っている男に向けた

「お前、ゲイか」

喜納氏 段床は、一瞬 ドキリとした

下の男は男に増して、体は大きく太ってはいたが

その肉は体の内側から盛り上がるように膨れていた



「しかし、何処に行くんですか」

町は、揺れていた、暗くなっても、光が、彷徨う魂のように、辺りを、行ったり来たりして、それは時に規則正しく時に暴力的で、あまり居心地の良い雰囲気ではなく、酔っていまう事がよくあった

「お前も、妙な場所に、弟子入りしちまったものだ」

皆何かしらの場所へと向かっている

携帯電話がある今の時代

待ち合わせもそれほどすれ違うことなどなくなった

しかし、中でも、理由なく路肩に立つ人間がいる

それは、奇麗に飾って入るが、何処か影があるように、男には見えた

「どっどこに行くんですか」

にどめの言葉は、男が立ち止まったことによって遮られた

「三万でどうだ」

女の気のなさげな表情は、隣の男を見て

「ああ、これも含めてだ」

相手は、首を振る

「じゃあ、4だな」


ホテル

もう約束の二時間は、とうに過ぎていた

ただ、男の下では、女が過呼吸を繰り返し

それを、田島はあくびをしながら眺めていた

「どうだ、自信はついたか」

相手は首を振って、更に、前後に腰を動かした

下の女のメイクは剥げ

ただ、肉体だけが息をしている風である

「お前が今、相手をしてもらっている女は梅毒だ

しかし、お前が、訓練を、積んでいたらお前は、重症にはならないはずだ」

腰を振って居た男の額にある汗は、さらなるこすりつけにより

相手の肌に落ちる

更に二時間後

女を、風呂にくぐらせた後

服を着せて

二人で、ホテルの部屋に立っていた

「まあ、二週間後 このホテルで、会おうじゃないか」

男は、十万を、テーブルに置くと出ていく

「・・・」

一人、ドアの方を見ながら

男は、溜息をつく

本当に、合格できるのだろうか

病気には、免疫がある

ある意味、様々な人間は様々な病気を、常に抑え込んでいると言える

性病と言うものの潜伏期間と言うのも厄介であるが

性に関しての道を行くために、時に、病魔からも戦わなければいけない

それは、体内に、その病気を、入れることにより、耐性を付けるが

過半数が、その過程で、脱落する

あの男は、病気を、匂いで、嗅ぎ分けたのだ

この試験は、言ってしまえば、運試しのようなものだ

体内に、病気を持つと言う事は、二度と堅気を抱くことはできない

同時に、病魔に侵されないように完治はしておかなければならないのでもあった

「後 二週間」

幾度も病気になることにより、感染したかどうかさえ、症状が出る前に、分かるようになる

自分は、対峙出来るのであろうか

ガラス戸の向こう

遠くの方で、サイレンの赤い音がした


白々しい返答を繰り返しながら

喫茶店で、二人の男が二週間後に対峙している

「それで、お前は、死ぬ気はあるんだな」

あの門をくぐると言う事は、普通の生き方はできないそんなことは誰もが分かり切って居た

「はい、それで、私は何をすれば」

男は、懐から紙を出した

ダサいTシャツに、コートを羽織っているが、妙に高級そうだ

生地が良い

「これを見ろ」

見た所、複雑な記号のようなものが見える

「奴らの暗号だ、まあ、これを手に入れる方が、遥かに面倒だが」

男は、横にあった、ソーダー水を飲むと

吹きかける

すると、紙に、住所が現れた

「今日だけで、五人やられている

お前はどうする、死ぬ覚悟は、本当にあるのか」

私は、頷くと、手を引かれた

「護道 三原則で行く、まずは見て居ろ」

金を払い街に出る

まだ、昼間の真っただ中で、暑いはずなのに

背中からは、冷たい汗が、ゆっくりと流れ落ちていた


その場所は、ただのアパートに見えた

「猿島さんから聞いてきました」

チャイムを鳴らすと、直ぐに、扉が開いた

薄いレースのような下着姿の女が姿を現す

長い髪が、生糸のように、揺れていた

「どうぞ、入ってください」

部屋は、マッサージでもするかのような、整頓された部屋に、ベッドが、真ん中に置かれていた

「今日は、ご指名ありがとうございます

皐は、直ぐ来ますので、それまでお寛ぎください」

所謂、闇営業と言った風俗である

自由恋愛を、歌っているから、仕方がないが

しかし、違法である

「今日は暑いですね」

当たり障りのない事を田島は、言いながらスーツを脱いでる

ここに来る前に、一応の変装まがいのコーディネートを、している

自分は、新米と言う風だが

先輩は、きなれているが、不快を与えないような新し目のスーツであった

先ほどまでの不快な脂ぎった顔つきも

今では、人のよさそうなおじさんに見えるのが不思議だ

それを演技と言ってしまえばそれまでだが、本来この人の本性はこっちなのではと思わせる

「それじゃあ、ちょっと、こちらでお待ちください」

近くに二人掛けの大きめなソファーが置かれている

その前には小さなテーブルが置かれているが

その部屋には、ベッドとその二つくらいしかない

女が、お茶を、テーブルに置こうとしたとき

男は、そのまま腕を引いて

ソファーに女を、引き込んだ

「お客さん、困りますよ、まだ、タイマーが、セットされていません

出禁にしますよ」

男の口が、女の口をふさぐ

まるで、ゴムのような男の顔が、顔中に、密着し

口はもちろん

鼻呼吸も出来ない

男の口からは、のがれる女の唇を割りこみ

舌が挿入される

そのヒルの様な太いそれは、女の白い石のような小粒の歯が、嚙み込む前に

酷く膨れ、口を閉じる事が出来ない

「あぅああ、ぐあああ」

くぐもった声が、男の骨を、通過する

割開かれた太ももに、男の太い腕が、割開かれた

鍛えられた筋肉は、酸欠により

ついに、呼吸をする動作により開く

その次の瞬間には、男の指は、内部に入り込み

わざと性感帯でもない膣の内側をこする

しかし、脳が、酸欠により

それを、ごまかす

つまり、女の本来得意ではない鍛えていない場所が、性感帯に変わったのだ

「うぐあうあ」

男の生臭い体内の酸素だけが、女にわずかに、死なない程度に供給される

男の太い缶詰のような一物も、女の内部は、入り込むことを予期するように、向かい入れる

「ぐああ」

喘ぐことしか、脳内は、喋ることはできない

男は、両足を、広げるように、足首を持ち広げると

腰を突き入れた

その重量は、酷い物であろうが

女の柔らかい身体は、それをスポンジのように、背中に逃がす

「イクゾ」

それは、言葉として、女の中に流れ込んだ

「っヴぁ」

女の断末魔は、一分ほど続き聞こえなくなる

「あんたたち」

ドアが開いた瞬間

男は、先ほどのことを、繰り返した

ショートカットを明るい色に染めた髪が揺れる

二人の女が

体内からゆっくりと、透明な汁を、吐き出しているが

膨れた子宮からは、精液が、降りてこない

「こっこれが、氷カマクラ」

相手は、精液を、吸収できず

ただ、一方的に、逝かされる

鎌倉流の秘儀にして最終奥義

それは、量はもちろんのこと質

そして、豚のような硬さをしなければならない

それは、努力でどうにかなる技量を越えている

ただ、レイプまがいの性風俗で、スカウトされなければ、こんな人間は、あまり見つかりにくい

その男は、昔、こう呼ばれていた

「タネヅケおじさん」と





それがいつ頃から起き始めたのかは、定かではない

ただ、それが、保険調査員による夫殺人の疑問からだろうか

ただの不審死だったのだろうか

ただ、奇妙な死因が、確証に変わったのは

明らかに、嘘とも、本当とも取れない、そんなあやふやな話から漏れ出したものが

確証に、変わったのである

「女にイ殺される」

それは、不確定な情報が、綻びをはじめ

ごく一部の人間に、性格な情報と認知される以外は、あやふやなものである

ただ、確実に、そんな奴らがいると、そいつらは、男から何らかの何かを吸収し死に至らしめ

更に、数日で、子供を妊娠し

その子供は、直ぐに、驚くべきスピードで成人する

過去に行われた非人道的な実験から導き出された観察情報は、意味を見出せず、答えを出せず

ただその存在が、この世にいることを、示唆するしかなかった

ただ、それと同時に、その女に、親族を、殺された人間が

その仇討ちに、道場に、入ることがある

ただ、それを知るのも極わずかであった

相手の女たちが、それを、どの程度、認識しているのかは、分からない

戸籍があるのか、この世のものなのか、どう言う社会性があるのか

ただ一つだけ分かって居ることがある

女たちは、妊娠しないと死ぬ

それはまるで、ウサギや小動物が、成獣後妊娠しないと病気にかかる率が著しいような

そのような事があるのかは、分からない

しかし、事実として、あれらは、それ故に、性交をしているのであろうが

それに対する設備はなく

ただ、男の命を引き換えにしない妊娠は、ただ腹の中で、子供が成長を止め

母子ともに死ぬしかないのであった



「おい、嘘だろ、佐藤が死んだってよ」

狭い室内には、機械やらがらくた刀いっぱいにひき詰められて

時折無線ががなり声をあげて

「ピーガラガラ」と叫ぶ

「そんなはずはない

彼奴には、特殊コンドーム「ですキラー」をやって居たはずだ

運動部のいけ好かない奴であったが

まさか」

眼鏡の細く背の小さな子は、サスペンダーを上げながら

横の太い幼馴染に言う

「僕の言う事は、絶対だよ、盗聴器では、そのような事を、把握できる、奴に渡した

エナジードリンクを、今、発信機共に、殺人現場に、おとしてある

直ぐに、回収した方が良い」

「本当に、殺されたのか

彼奴が、女とやって居るところに出くわすなんて、いやだぞ、彼奴の唸り声じゃ」

・・・

「本当に、死んでいるな」

軽く部屋を偵察した眼鏡事ガリベンは、丸い目を、三角頭のデブ事太丸に言う

「ああ、監視カメラのないラブホテルで助かったよ

しかし、エナジードリンクも持ったしさっさと、づらかるぞ

あいつ、condom使わずに、やりやがって、死んでも当然だよ

いまこの街で、どれくらいの被害者が出ていると思って居るんだよ

あれほど、危険性を、解いたと言うのに」

麻袋に、自分たちの作った備品を、適当に入れると

写真を撮って

表に行く

「おい行くぞ」

三角頭が、ちび言いう

「ああ、今行く」

表に出たとき

廊下の向こうに、女が一人立っていた

不味いところに出た

しかし、問題は、女に見られたところもそうだが

こんなラブホテルで女が一人という時点でおかしい

それが、娼婦か待ち合わせでなければ

「イクゾちび」

後ろからぶつかる様に

眼鏡が背中に激突していた

「あら、僕たち、こんなところにいたらだめじゃない

それとも、私を」

「失礼します」

二人で声を上げて

後にする

裏口から表に出たときには

女の姿はない

「ぎゃー」

後ろで、声がする

駆け足で飛び出したかけらの後ろからは、僅かに煙が見える

その後ろの女は

二人を引き留めようとしたかは分からない

ただ、二人は、魔女除けの

そう、巷で噂の抱き死女に、効果があるという煙幕を、投げつけた

単純に、唐辛子の粉は、人間を、混乱させるには、十分であり

騒ぎに駆け付けた人間が、ぶつかったのは言うまででもない

「急げ」

自転車でかけていった二人の背後に女が目を向けたころには、とうに、その存在は、曲がり角を

三十メートルは、過ぎ去って居た



「はい里木様、私めをお使いください」

脂肪のない女が、カーペットの上

気品のある靴の横に首を垂れている

「ああ、そうだな」

一流のスーツを、着こんでいるが、その動作は、何処か、ちぐはぐである

「ああ、そうさせてもらうよ」

背後を、取った男は、無造作に、ベルトを、取ると

その鰐皮を、べっどの横に投げた

体を、むき出しにした男は、いつもつを、相手の背後に当てると

「きもちい」と言いながら、中に、挿入した

「よし出すよ」

数回こすっただけで、男は、中に、出し始める

背後からは、いつの間にか、そこに男がいたことを、ガラス窓を見て気が付く

「あなたは」

男は、もう一度、適当に、中に出すことを、やめて、声を発した

「止まれ」

黒いスーツを着た男は、止まって居る

しかし、驚く顔をするのは、そう口走った方の男である

「凄い催眠術ですね蛇川さん

貴方のその技には、感嘆していますよ」

「だれだ」

目の前の男から距離をとる

背後から別の男が部屋の中に入ってくる

鍵は閉めたはずだ

いや、閉め忘れたのか

同じような服装にサングラスの男は

「止まれ」

そう言われると、また足を止めるが

声は響く

「貴方が、はらませた女性は、数知れず

しかし、それでも、貴方が、彼奴らに、会わなかったのは、奇跡と言うしかない」

男が、止まった男の更に後ろに目を向けるが

しかしそこには仕舞ったとびらが

バスルームとかに、いるかもしれないが

背後から声がする

「どうしてだ」

「単純な話だ、この男の腹にスピーカーが巻かれているだけだ

君に話と言うのは、他でもない

今まで通り、君がやりたいことをすればいい

しかし、ちょっと、我々の組織に、入ってはいただけないだろうか」

痩せた男は、ぼんやりと、男たちを見る

「すまんが、解除してくれないか、別の仕事があるので」

男が「動け」と単純な言葉を言うと、男たちは、今まで通りと言う風に、棒立ちだが、それが解かれているのか微動だにしないのでわかりにくい

「撤収だ」

男の声と引き換えに、男たちは走り去る

部屋に残されたのは、先ほどと同じ格好の女と垂れている白い液体

もう一度背後に立ったが

「奇麗にいて、避妊薬でも飲んでおけ」

男は、乱暴にそう言うと、部屋を出た

もちろん男は、この部屋の代金を、払ってなどいない

受付で空き部屋を、勝手に使わせるように、お願いしたに過ぎないのであった




「おい三番

ゆっくり入れろ」

女が、風呂の横に寝ている巨大な男にまたがると

自分の腕ほどの肉棒を、花弁に当てて、青ざめる

幾ら抱かれても、なれることはない

苦痛が無いのは、惚れているの一辺でしかない

しかし、やはり、問題は、苦痛だ

相手を気持ち良く出来ているのか

その苦悶も、男が、軽く足払いすることで

女の中には、自分の足首ほどの太い物が根元まで入り

動きを止めた

呻くようなくぐもった苦痛を

押し通すように

まだ一物だけで浮いている腰を、打ち付けた

「あが」

声はある

しかし、それは、性行為なのだろうか

自分の危機感からか、濡れにくい女の花弁からは、白い濃密な液体が

顔には似合わず、潤滑油として、必死に垂れ流す

しかし、それも、大きなものは、意味を見出さない

なぜなら、幾ら滑らそうとも、大きな亀頭が、膣内で、動き回り

それだけで、産道の半分が埋まって居る

横に何とか出来ても、立てには難しい

もうそろそろだ

最後の壁は、蟻地獄に、埋もれるように

その大きなものは、子宮口を、そのうち、押し広げ

いくどの拡張は、それをもって、長さを埋めた

しかし、それは、快楽の中

男には物足らない

女は、噴水のようによだれを垂れ流しながら

男に満足を与えることはできなかった

「五番」

片手で、女を抜くと

白く塗られた蝋燭のような棒は、赤黒く内部で燃えているように見える

それでも、その異物を、体内に、受け入れることに、嫌悪感はない

先ほどの細い女とは違い

恰幅の良い女ではあったが

相変わらず、膣の大きさに、余裕はない



大山大五郎







だれも居ない森の中

人間は入りたがらないのだろう

生物の濃縮液であろうが

それ故に、人間にとっては、未知の場所である

学校でも分からない

それでも、その中に、立てられた丸太小屋の中

暖炉の明かりが漏れ出すが、木々に囲まれて、誰もそれを里からも見ることはできない

「おい、大丈夫か」

曇ったガラスの向こう

そこから、野太い男の声が聞こえた

中からは、女の悲鳴が先ほどから、幾らも聞こえている

「やめて、もうやめて、満足したでしょ、もう何回、中に出すの」

男が、小屋の中で、女を吊り下げるように

両足を、手に取る

股間からは精液が垂れ

女の肌を、へそへと垂れ漏れる

金髪が床の上に揺れた

「ね、お願い」

髭ずらの男は、体こっぱらを、ゆすらせながら女を投げ捨て

テーブルのビールを口に含む

「何を言っているんだ、お前は、明日の食糧だよ」

青ざめた女が声を漏らす

「さあ、もう少し、俺を楽しませろ、はらんだら、代わり逃がしてやるかもしれないぞ」

女が、嗚咽を、ゆかに吐き出す

「そっそんなことは」

泣きじゃくる女の胸を、揉みながら

男は、汚い一物を、あやすように女の中に入れた

「もう、もう」

黄色い色が、辺りを揺らす黄ばんだ精液が床にばらまかれていく

その上で、女の足が揺れた

「トマトが良いかな」

男の声がするが

女は

恐怖の為か意識はもうない

そんな折に、扉を叩く音がする

男はライフルを、入口に向けた

「誰だ」

扉はカギがかけられておらず、ゆっくり開いた

「抵抗するな」

何を言ってやがる、ギールの声に、反対するように

ドアは、開いたが、そこには、山だと言うのに、嘘臭いスーツ

その横には、体躯の良い男が立っていた

「あなたは、中々、良い趣味をしてらっしゃる

ちょっと、実験に付き合ってくれませんか

ライフルを下ろして」

男は、ライフルを下ろし

相変わらず、女を、こしの上に、置きながら

相手を見ている

「何をしやがる、何なんだ」

二人の男は、顔を見合わせるように、立って男を見た

「ついてこい女性は丁重に扱え」

暗い山の中、四人の一行が、山を下りていくが、それを気にする人間は居なかった


「やはり、駄目だったか」

死体を前に、数人の人間と、催眠術師は、顔を向ける

男の一物から体液を採取する

「やれると思ったんだんだが、駄目だったか」

男の脇には、女の死体が転がって居る

男の部屋から出ようとした女は射殺されたのだ

「しかし、駄目だったか」

催眠術師はそう言いながら、運ばれる遺体を眺めている

周りの部屋から出てくる人間は居ない

サイレンの中、あわただしい人の流れの中

「しかし、殺すことはないんじゃないか、というか、この男と使う必要があったのか

最初から殺していれば」

黒服の一人は携帯を差し出した

「お前じゃ会話はできないってか」

直ぐに声が聞こえて来た

「仕事ご苦労様

しかし、生かす必要性はないんだよ

どうせ、分かりはしない

それよりも、君にわざわざ連れてきてもらったにもかかわらず、殺されたことは、済まないと思うよ」

女は、親から、その習性を、聞いている以外

あまり、つながりを持っていない、安全に、戦闘を、見れると思ったが

あまりに粗末だったな

それで、次の仕事なんだが」

携帯に怒鳴る男の声が響くが、それに対する人間はその場にはいなかった


「何なんだ、気色の悪い」

男は悪態をつきながら

今いる人間全員に、土下座でもさせてやろうかとも考えたが、面倒に思い

路地裏を歩いて行く

監視カメラに映されていた映像は、実に奇妙でった

二人の男女が、性行為後、男の下から女が抜け出し

そのあとすぐに、射殺された

それはどう見ても、殺人にしか見えない

これは誰の報復行為であろうか

催眠術で、犯罪は犯したが、殺人を犯したことはない

もしかして、かなりめんどくさい場にいるのではなかろうか

「おいおい、君だけが人を殺しているわけじゃあるまい

君は毎日幾重の野菜や肉を殺しているじゃないか

添加物 農薬 ドバドバと、楽しく

それに、君は、はらませることで、今のところ五人殺している

自殺という形だがね」

振り返ると、あの黒服が一人立っている

「っあ」

言葉を返せなかった

「君のこれからの仕事に、期待するよ

幾ら殺しても、居なくならないからね頑張ってくれ」

音声が消えると

黒服が紙袋を渡す

何だ

そう聞いてもすぐに立ち去った

開いてみると、紙の束が入って居る

百万以上はあるだろう

イラン

そう言いたいが、捨てる気も起きない

以前銀行で、一億円を、持って、返したことがある

欲しかったわけでもないし

金に困っているわけでもない

ただ、だからと言ってなんだと言うのだろか

「おい」

適当に、そこに座っていたホームレスに投げつけた

「なにしやがんだ」

それを適当に叩き落とした

「やるよ」

そう言って人通りのおい場所に走る

所詮人が居なければ何の意味も見いだせないのだ



「せっ先輩」

目の前には、あの金玉の大きな体が、寝そべって居る

女の姿はなく

息はしていなかった

何て言う事であろうか

師匠に連絡を、入れられ

直ぐに、その姿を私は探した

部屋には、こぼれ落ちる精液の姿と

田原の姿であった

あの人が死ぬなんて、ありえない

そうは思っても、それが現実である

直ぐに、監視カメラを、見せてもらう事にした

こういう時、警察官と言うのは良い物だ

「・・・おかしい」

途中、煙のようなものが、廊下を包み

それと同時に、数人が外に出た

先輩の部屋から出たのは、一体どいつだ

分からない

もう一度、白けたような肌の先輩を見る

どうして

そんなことは、もはや分からない

しかし、ようやく溶けだしたような精液は、それでも、砂のような形をとどめていた



私は一人考えていた、これも保険が効けばいいのに

しかし、目の前には、男の死体があり

めんどくさい事に、子供は、直ぐに大きくなる

故に、近所にその存在を知られるわけにはいかない

ある意味面倒だ

そしてそれは、全くかわいくはない半分くらい自分の記憶を持っているのではないだろうか

私は幼いころを考える

自分一人いる時間

親は存在自体が、あやふやだ

世間一般でいえば、自分は、無国籍と言う事になるのではないだろうか

生まれたときから記憶はある

そして後は適当に放置だ

一年に一人、子供を産まないだけで、ガンになる確率が、半分以上何て

馬鹿げている

子供は、ほんの数日で、妊娠し

一ヶ月以内には、大人になる

馬鹿げている

まるで、飼い猫のように餌を与えられ

気が付けば、家を追い出されていた

しかし、生き方は、もう分かって居る

何かが分からないと言う事が無いのである

それは、自分と言う存在の分裂とは明らかに違う

しかし、そうと言えないのかもわからなかった

仕事の要領、住むべき場所言動行動

記憶喪失のように、記憶ばかりは分からないが

それ以外の生活は理解できた

しかし、自分が何者か親も分かってはいなかったようにもえる

私は一体誰であろうか

今月は、もう妊娠して半年は経とうとしている

もうそろそろ時期だとそう思う

あの子は、さっさと家を出て行ってしまった

今どこにいるかもわからない

家を出て、出来るだけ安全な場所を考える

死んでも怪しまれない

どうでも良い場所

そんな時、背の高い男が、こちらを見た

やけに大きい

「やあこんばんわ」

それは、こちらに、帽子を上げた

危ない人間だろうか

身なりはしっかりしている

「時間は大丈夫ですか」

私は迷う

大丈夫な人間であろうか

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精捨聖鮮 イタチ @zzed9

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