天狗一族の修行の旅4

 岳と新人天狗達は疲れる為に出来るだけ長く寝たが「オィ、いつまで寝てるつもりだ!」と声がしたのは豪。

 「さっさとしろ!」岳は新人天狗達を起こす。

 すると「いったぁ!」新人天狗達何人か夜に下駄をやらかした連中だった。

 しかし岳達も夜は気が付かなかったが、朝になったらじわじわと下駄がヒリヒリする。

 だが新人天狗達と岳は痛がるが、そんな暇を与えずに

 「先、降りるぞ!」と豪達先輩はスタスタと第三十八番札所金剛福寺を降りた。

 慌てて「いって〜よ」新人天狗達と岳も降りる。すると「第三十九番札所延光寺えんこうじまでは五十キロ越えとなる、屁張るなよ!」豪は改めて吠える。

 「五十キロ越えって正気かよ」岳はさっそく屁張るが

 「義兄弟。ここで屁張るなんて、らしくないぜ!」新人天狗達は疲れた岳を励ます。

 「義兄弟って?」岳は言うが

 「義兄弟だろう俺達は・・・?」団子も言う。

 「絶対皆んなで見返してやろうって一番先に言われたら、なぁ!皆んな!」団子は新人天狗達に声をかけた。

 「おぅよー」新人天狗達は低くてドスの効いた声で岳を励ます。

 「おぅよ!」岳も負けないと声を張り上げる。

 五十キロ越えも仲間と入れば越えられる、そう言い聞かせて第三十九番札所延光寺へ到着。参拝を済ませて「次は第四十番札所観自在寺かんじざいじだ!距離は半分たが高低差は三倍だ!行くぞ〜!」豪達は歩く。距離は半分だけど、高低差は三倍。新人天狗達と岳は獣道を渡り、第四十番札所観自在寺へ着いたのは、第三十九番札所延光寺へと同じ時間ぐらいだろう。

 参拝して「良く聞け!」豪は再び吠える。

 (なんだよ、さっさと進めよ!)新人天狗達と岳はイライラしてたが「次の第四十一番札所龍光寺りゅうこうじはな距離は五十キロ越え、高低差は七百メートル越えをする難所の一つ!だがびびってるとか言わないよなぁ〜?」豪は周りに吠えて見せた。

 すると「オー!」先輩達は湧いた。だが新人天狗達と岳は唖然とする。距離は五十キロ越え、高低差は七百メートル越えをする難所の一つだったことだ。登って、降りて、登って、また降りてを繰り返しあり、最後は絶望感を見た登りを手を付きながら登り切ったのだ。

 (ヒー、ヒー、ヒー)新人天狗達と岳は手を付きながら唸っていたが

 「情け無いな、今年の新人達は!」豪は新人天狗達と岳が情け無いと首を振り「行くぞ!」豪達は降りて行く。

 降りて行く最中、豪は「昼飯は歩きながら食べろ!休憩してる間がない」早歩きして行く。

 だが第四十二番札所仏木寺ぶつもくじは比較的近くにあった。いや、五十キロ越えと比べるとだ。

 参拝して、第四十三番札所明石寺めいせきじと行き段々と楽に登り「いい感じだな、義兄弟!」団子は岳に喋りに来た。

 「そうだな義兄弟。言葉も出るしな?」岳と新人天狗達は笑いながら行くが

 「ほぉ〜う、余裕か。それがいつまで続くかなぁ?第四十四番札所大宝寺だいほうじはな距離は約八十キロ、高低差は約一キロだ。頑張れよ新人君」豪達先輩は少し早めて降りて行くが新人天狗達と岳はもう笑えない。

 無言で歩く新人天狗達と岳は豪達先輩と空いて行く。

 (クッソ〜、置いていかれる)と岳は悔しくて下唇を噛む。

 その時(ん⁈)岳は豪達先輩と空くのは悔しいが歩く足が黒くなっていた。

 一方で新人天狗達は朱色。何故かここの差が問題あるかも。

 しかし足が黒くなったからと言って靴擦れが治る保証がない。どうする。

 悩んでいると「どうした義兄弟?」団子は声を掛けた。

 すると「ちょっと待ってくれないか皆んな?」岳は新人天狗達に止めた。

 「どうした義兄弟?」「足が攣るのか?」と新人天狗達は岳が辞めるのはどうしたのかと思った。

 「なぁ?何故先輩達は足が黒いのだ?」岳は新人天狗達に聞く。

 すると「鉄心を入れているからだ!」新人天狗の樹々きぎが言ってきた。

 「悪い、えっと〜」

 「樹々だ。鉄心と言って鉄の様に固い心を言う。昔、豪さんに言ってた、天狗一族の中の一握りだと。鉄心を入ってなかったら認めないっと」樹々は岳から聞く。

 (あぁ〜、言ってた言ってた)と新人天狗一族達はと言い

 「鉄心は痛みですら消すと言われたるなぁ〜」団子も言う。

 「それだ!鉄心はどうやってるんだ?」岳は皆んなに聞くが(さぁ?)新人天狗達はお手上げ。

 すると「俺、ちょっと出来るぞ?」団子は言うと力強く朱色が黒くなった。

 皆んな団子の近くへ寄って「どうだ?」岳は団子に聞く。

 そしたら団子の下駄が(ヒョイ、ヒョイ)とどう見ても軽くなるのがわかる。

 「ハァ〜。疲れる〜。鉄心を入れると疲労感が。」団子は疲れて地べたに座る。

 師匠は教えてくれないのは何故だ?そう、最後尾に高林坊が居てる。

 「皆んな、ちょっといいか?」岳は新人天狗一族達に呼び集め、座り込む。

 「もしかしてだが、修行ではなく最終試験はないだろうか?」岳は新人天狗達に聞こえるようにボソボソと喋る。

 「じゃあ五日間って言うのもそれ込みの時間ってことか?」団子は岳に聞くが

 「そうだ」

 「じゃあ足が靴擦れするのも?」樹々は岳に聞くと

 「そうだ」岳は言うと新人天狗達は納得する。が問題点がある。そう岳が天狗一族じゃないことだ。

 だが諦めが悪い岳は「俺も鉄心になってやるぜぇ!」

 「そう来なくちゃな義兄弟!」団子は円陣を組んで「オー!」一旦四国八十八ヶ所は置いておき鉄心を学ぶことをする。

 すると「ほぉう、四国八十八ヶ所は鉄心が鍵だと思ったと思ってるじゃな?」高林坊は新人天狗達と岳を向けた。

 「ハイ、違いますか師匠!」

 「まぁひとまず正解かな。それとな岳、鉄心は天狗一族ばかりでもない、人間にも単純な奴ほど」高林坊は何てことない花を持ち、大木を(デェヤァァ)花は折れたが大木も斬る。

 (えぇっっっっ!)岳も新人天狗達も目玉が飛び出してるぐらいに。

 「鉄心は折れない心。だから花でも大木を斬れると思えば斬れるのじゃ、だから四国八十八ヶ所を無心の心で居れば痛さも無心。さぁここから2日間とちょっと、もう夕方になろうとしておるぞ」高林坊はニヤッと笑みを溢し座る。

 「鉄心を極めるぞ!」岳は皆んなに声を掛けると「オー!」新人天狗達も鉄心を目指す。

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梅花が連れて行く百鬼夜行 平山剛大 @herayama

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