第2話

 なんか知らないけどスライムで攻略者を倒せてしまった、マジかよ。

 もしかして新人さんだったりするのだろうか、なんか近くに変な機械を浮かべていたので。

 そうだとしたら不意打ちでスライムを用いて窒息させて倒すなんて結構あれな方法を取ってしまったのは申し訳なく感じてしまう。

 とはいえこっちも命がかかっているし、相手は死んでも復活出来るのだから容赦して欲しい、そしてもう二度と来ないで欲しい。


 兎に角、とりあえず一難去ったという訳でひとまず一安心。

 とはいえまた攻略者がやってこないとも限らない、ていうかむしろ絶対にやって来るであろう事は間違いないので、次の襲来に俺は備えなくてはならない。

 とはいえ、あの攻略者を倒す事によって得られた『300』ポイントを多いと見るか少ないと見るか。

 単純に見るとポイントは四倍になっているのだが、しかしだからと言って出来る事が増えたかというとそこまでではない。

 命がかかっているのにコスパなんて考えている暇はないとも思うけれども、これはある意味消耗戦だ。

 召喚したモンスターは倒されるとポイントは一部しか返ってこない。

 で、ある以上攻略者を倒す為に苦戦を強いられる訳にはいかないのだ。

 そして、こちらは定期的なポイント回収をする手段が現状ないので、だからそれこそ雪崩のように押し寄せてくる大群に弱い。

 多分、俺は。

 ていうかこのダンジョンは攻略者によって本格的に攻略されようとし始めた時が終わりだと思う。 

 その前に、絶対に攻略されないような守りを構築する必要がある。

 あるいは、絶対に攻略したくないような嫌がらせをするべきか。


 その為には、それこそ前回のような手段は最低だけど悪手ではないのだろう。

 つまり、スライムで装備破壊。

 衣装を剥いで素っ裸にしてしまうというのは相手の精神に効率的にストレスを懸ける事が出来る上、防御力を下げる事が出来るので一石二鳥だ。

 いやまあ、あのスライムが装備を溶かすなんて事は俺も知らなかったのでこの発見は完全にタナボタな訳だが、偶然だとしてもこちらにとって有益な情報はありがたく貰う事にしよう。


 あとは、他にどのようなモンスターを召喚するべきか。

 これに関しては、今はまだそのタイミングではないという奴だろう。

 それこそ現状敵に対して真っ向から対抗出来るであろうモンスターがいなく、だから基本的には奇襲をしなくてはならない。

 だが、ダンジョン自体の改築が出来るほどのポイントがないので「地の利」を得る事も難しく、だからやはりスライムによる襲撃が今のところ最適解のような気がした。


 とはいえ、前回の方法は使えないのではないかと思う。

 だって絶対情報を共有されるだろうし、うーん。


 どうしよう、例によってダンジョンを改造出来ないから、選択肢が全く持って存在しない。

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ダンジョン攻略配信が流行っている世界で空気を読まずにエロトラップばかり仕掛けている奴がいるんだが カラスバ @nodoguro

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