第7話 猫キャラ疑似配信②耳かきと甘いささやき
(ヘッドホンを装着をしているため、かなり近くから聞こえてくる)
「ハアハアハアハア……」
「もうダメ……ほんとキツイ。日頃運動しないから倍辛い」
(激しく息を切らしながら)
「ヘッドホン……着けて聞いてねってお願いしたけど……ちょっと恥ずかしさが限界超えて……だから……スピーカーに切り替えて欲しいな……」
「ちょっと……休憩……」
(少しづつ呼吸が整っていく。たまに飲料水を飲む。ゴクリゴクリという音が両耳から聞こえてくる)
「ぷはあ……。運動しながらの配信は……ちょっとエッチ度が上がるね。君になら……平気だけど……、配信だとちょっと恥ずかしすぎてやりたくないな」
「こういうNGな配信を考えられるのも、君と練習できてるからこそだよね」
「ね……ねえ……せっかくだからやってみたいことがあるんだけど……ダメかな?」
「えっ……いいの? まだ何も言ってないのに」
「えーっとねえ……耳かきと……寝かしつけかな……」
「あっ! やっぱりやめた、はなしだからね!」
「やっちゃいまーす。あたしのが恥ずかしいんだから、君はちゃっと付き合ってよね!」
「じゃあまずは『耳かき』から! 部屋越しだからってそのままはなし! ちゃんと横になってよね。あ……あたしのベット使ってもいいからっ!!」
(部屋を移動する。足音が響く)
「準備できた? あたしの匂いがするって? わかっててもそういうこと言わないの! お酒飲んでないと恥ずかしくて死にそうなんだから……」
「じゃ……じゃあ始めるわね……。じゃなかった……にゃん。語尾付けるの面倒だね。慣れてきたらやめちゃいそう。あはは……」
「ひ、膝枕です……。横になって右を向いてね」
「ど……どんな感じかな? あたしの膝枕……。えっと……カリ……カリ……カリ…」
(ゴゾゴソという右耳をいじる音)
「ふー……ふー……ふー……」
(右耳に息が吹きかけられる音)
「気持ちいい……? 浅いところカリカリすると気持ちいいよね……。あたしも……浅いところ好きだな……。にゃん……。奥……やるね」
(甘い声でささやく)
「奥でもいたくしないにゃん……。カリ……カリ……ふー……ふー……」
(右耳にゴソゴソという音。さらに息が吹きかけられる)
「はい……おしまい……」
「どっ……どうだったかな? とりあえず右耳をだけでやってみたけど……」
「意外と気持ちよかったって、意外とって何よー。言い方があるでしょー。素直に気持ちよかったって言えばいいのに」
「え……、本当にやって欲しいの……。もちろん……いいに決まってるでしょ?」
(少し沈黙。エアコンが動く音だけ聞こえる)
「ひ、左耳やろうか! 左は耳かきじゃなくて、甘い言葉で寝てもらうやつ……」
「じゃあ早く横になってっ! 早く」
「じゃあ始めるよ」
「じゃ……じゃあはじめるにゃん……」
(左耳から甘くささやく声が聞こえてくる)
「……今日もお仕事……お疲れ様……」
「君のこと……ずーっと……見てたんだよ……」
(言葉の端々に甘い吐息が混じる)
「いつも……みんなのために頑張ってるの……あたし……とってもよくしってるからね」
「大好き……にゃん……」
「ふふ……ごめんね。ちょっと恥ずかしくて笑っちゃった」
「だいすき……。だいすき……。だいすき……だいすき……」
(甘い吐息が漏れる)
「グスン……だいすきなの……ほんとうに……。ねえ……ほんとうにだいすきなんだよ……」
(鼻をすする音)
「だいすき……。だいすき……」
(少し沈黙。足音。部屋扉が開く音)
「なんでこっちの部屋にくるのよう……グスン」
(ヘッドホンからの声でなく、少し遠いが本物の声)
(足音。その後服が擦れる音)
「えへへ……」
(右耳の近くで小さな笑い声)
「そんなささやき声じゃ聞こえないよ……。でも嬉しい……。すっごく嬉しい。あたしも大好き……」
(右耳から、吐息交じりの甘くささやく声)
「大好き……大好き……大好き……はあ……はあ……」
「ずっと……君だけに声を届けたいな……。あたしは……君だけのものになりたいな……」
(唾液を交換する音と甘い吐息)
「ん……大好きだよ……」
先輩と僕の甘々配信練習 しんしん @sinkou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます