解説
五部構成の内、「夜」と「つとめて」の二部が飛尾優太の小説である。つまり、実際に矢本夫妻が民宿を営んでいる民宿・あけぼのが舞台なのは「あけぼの」、「夕暮」、「曙」の三部である。
あけぼの
最終章で明らかになるが私(稲波さくら)は優太とともに矢本夫妻が営む民宿・あけぼのを訪れる。ここで読み取れる情報として、さくらは友人との旅行中に優太と出会ったこと、優太があけぼのを訪れるのは初めてではないことがわかる。
夏
「あけぼの」で矢本夫妻、小林、優太が以前話をしたことが書かれており、会話の簡単な内容としては次章の「夕暮」で矢本夫妻や小林と民宿について話したことである。優太はその会話をもとに「夏」を作成している。人物としては民宿の旦那さんイコール智也。夫妻の苗字である矢本のアナグラムである。同様の人物として小林イコールはやっさんである。優太によると矢本さんは実際に小林さんをこう読んでいるらしい。
夕暮
「あけぼの」の二年前、つまり、優太とさくらが出会った日である。民宿・あけぼのの奥さんの名前は最後まで明かされないが、優太の小説である「夜」と「つとめて」のさっちゃんはさくらから取ったと思われる。「あけぼの」からわかるように優太、さくら、美玖の三人は東京に戻ってからも交流があったようである。
つとめて
優太がさくらの絵をテーマに短編小説を制作していると言っているが、この「つとめて」自体がその短編小説である。そしてテーマとなった絵は郁弥が見ていた紅葉の中のゴンドラの絵である。この絵は「夕暮」でさくらが描いた絵である。賀来郁弥(かくふみや)は共通の友人である深谷美玖のアナグラムである。
曙
時系列および、優太とさくらが出会った日の宿泊台帳である。
夕暮→あけぼの→夜、つとめて執筆→曙
西の間 代表者 飛尾 優太
東の間 代表者 深谷 美玖
稲波 さくら 計二名
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