第2話 栄大革命

スーツ男3人組は一斉にナイフを取り出した。

焦って自分たちは一歩下がった。

おっさんだけは冷静だった。


「ほぉ……あんたら一体何もんだ?」


「お前みたいなジジイに何も言わねぇよ!」


男3人が同時に襲いかかる!

俺らは少しビビりながら遠くから見ていた。

どうすればいいのか。

実際俺らは3人ともそれなりにたたかえる。

ただ、ナイフを持ったやつとは戦ったことがない。

じっと眺めていた。

おっさんがあーいう強気な感じなのは小さな時からたまに見ていたが、本当に戦うところは見たことがない。


遅いかかる1人の男の腕にパシンッ!とおっさんが蹴り上げる。

1人のナイフが空中を舞う。


「真也くん達! このように1人ずつナイフだけを剥がしていく! ナイフがなくなった奴から順番に倒していってほしい!」


すると修斗が一番最初に戦いに行った。

修斗はナイフがなくなった1人の顔を一発殴ったのち、飛び蹴りをした。


その間におっさんが残りの2人ともナイフを手から離した。


「大輔……お前は体を安静にしてろ。」


俺は大輔を守るようにして1人を倒し、もう1人はおっさんが気絶させた。


1人意識が残っていた男がいた。


「おい、いつでもお前らを殺せる。お前ら何者だ! 正直に言え」


とおっさんがそいつに語りかけた。


「はははっ!」


その男が不敵な笑みを浮かべてからこう言った。


「別に正直にあんたらに話したっていい。ただお前らまずいぜ……ここまでしちゃったらねぇ。お前らの寿命はせいぜいあと1週間だ! 覚悟しろよぉ!」


おっさんが呆れて聞いた。


「で、お前らどこのもんだ?」


「旭組だ」


するとおっさんが驚いていた。


「旭組か……まだあったのか。」


「おっさん、知ってんのか!?」


と俺がすぐに聞いた。


「ああ、旭組。40年ぐらい前に創設された組だ。当時の組長は確か旭光彦。その時にすでに50歳だったからおそらく組長は変わっているはずだ。」


「その通りだ。今の組長は息子様、旭光太郎様だ。」


「教えてくれてどーも」


「あ! しまっ!」


「続けて聞く、お前俺の名前はわかるか?」


とおっさんが聞いた。

その質問に果たして意味はあるのか俺には分からない。

どーせおっさんの悪ふざけだろう。


「知るわけねぇだろ! そこらへんのバーやってるじじいの名前なんて!」


当たり前だ。


「ほぉ、じゃああんたらは俺らのビル……いや、ここ一帯のビルを買い取って何をするつもりなんだ」


確かに噂では聞いていた。

ここらへんのビルが買い取られていたということは。


「お前らにだけ特別に教えてやろう! 俺らの真の目的。どーせバラしたところでお前らには止められっこないんだ! 俺らの真の目的!」


「真の目的……?」


「ああ! 栄大革命だ!」


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