九龍城(くーろんじょう)、という現実に存在した『迷宮』を、あなたは知ってますか?
その昔(というか実はかなり近代なのですが……)、様々な理由を重ねた挙げ句無法地帯となった香港の九竜地区で、違法建築に違法建築を重ねた結果……ファンタジーかと思うような複雑怪奇な迷宮、『九龍城砦』という建築郡が現実に存在していました。
この物語は、既に解体されてしまったその九龍城砦を舞台に、魅力的なキャラクター達が……ある時は猫を探し、ある時は麻薬闘争に巻き込まれ、またある時は用心棒として働き……そして逞しく生き延びていきます。
【九龍城】という場所にしかない独特の雰囲気、風景を鮮明に写し出す作者さんの丁寧な描写も、とても魅力的です。
ダークでアングラ、でも何処か惹き込まれてついついページを捲る手が止まらなくなるような……そんな物語がここにあります!
是非ともこの作品の、九龍の美しくて退廃的な世界観に様々な人に浸って貰いたいです。