第2話 狂獣撃滅特殊戦闘部隊

「だっ、だれかぁぁあ!!」

なんだ!?

右の曲がり角の奥から人の声が聞こえる。

「狂獣が出た!隊員を呼んでくれ!!」

マジかよ、まさかこんな近くにいたなんて!

実際に見たことはまだないし見てみたいな。

それにしてもレベル2相手になんでここまで

怯えているんだろうか。

なんて考えていると角から1人の

男性が飛び出してきた。

(この人がさっきから叫んでる人だな。

ってことはこの後ろに…!)

初めて狂獣を見れると少しわくわく

していたその時だった。

突然目の前の男性が消えた。

そしてそれと同時にあちこちの建物に

赤い液体が飛び散った

この状況を理解するのには時間が

足りた過ぎた。

あまりの衝撃的な出来事に唖然としてると

大きな物体が顔を出す。

レベル2、本来ならこの生物を見上げるのは

おかしなことだ。

「これが、、レベル2……?」

レベル2にしては大きすぎた。

俺の知ってるレベル2は1.3mから1.7m

くらいの大きさだ。

だけど明らかにこいつは3mを超えている。

足がすくんで動けないままただ

その化け物を見上げることしかできなかった。

狂獣がこちらへ顔を向ける。

もうダメだと確信した途端さっきまで

少し先にいたはずの狂獣が目の前にいた。

信じられない速さだった

「これは…逃げれないな…。」

殺されると悟り、目を瞑った次の瞬間


「まだよ!!」


どこから聞こえたのか分からないが

確実に誰かが俺にそう言った。

すると狂獣の伸ばした腕となにかが

ぶつかる。

(キィィーン)

甲高い音が響き渡った。

「大丈夫よ、私は獣滅隊の神崎。お姉さんがこの化け物の相手をするから君は逃げなさい!」

目を開けるとそこには狂獣の攻撃を

刀で受け止め俺を守る1人の

女の人がいた。

間違いない、狂獣撃滅特殊戦闘部隊の

隊員。獣滅隊(ししめつたい)とも呼ばれている。

「大丈夫、君は必ず助けるから!!」

と俺に語りかける。

安心していた、助かるのだと。

このまま近くにいてはこの女性の

邪魔になると思い逃げようと振り返る。

すると何故か地面に倒れ込んでしまった。

「え、なんで立てない、、、!?」

ある違和感に気づく

(右足の感覚がない)

視線を後ろにやると恐怖と不安、焦りや

痛み。様々な感情が溢れ出し叫んでしまった

右足が無くなっていた。

切られた感覚もなにもなかったが

何が起きたのか神崎さんの後ろに狂獣が

立っており俺の足を食べていた。

嫌な音だ

「お前の相手はこの私だろう!!」

神崎さんが狂獣の身体に刀を落とす。

「くっ、!刃が通らない!」

狂獣の肉体は神崎さんの刀では切れない

「逃げて、下さい!」

俺は震えた声でそう言った

「大丈夫、絶対に倒すから」

そう言うと1度狂獣から刀を離した。

「クラブチェンジオーバー!!」

そう言い再び刀を降る。狂獣はその攻撃を防ごうと刀を握ろうとした。

だがその刃は狂獣の指を簡単に切断した。

「外した…!けど今度は身体を切ってやる!」

狂獣が首を狙い攻撃を仕掛けたが

神崎さんは軽々と避け狂獣の身体を切断した。狂獣の身体が地面に倒れるのを見て

すぐさま俺の方に寄ってきた。

「大丈夫よ、今すぐ救援を呼ぶから。

ごめんなさい、私のせいでこんなことに」

「いえ、おかげで助かりましたし

ほんとにありがとうございます」

(ズドォン)


目の前の神崎さんが突然吹き飛び

隣の建物に衝突した。

(え、なにが起きた、、、!?)

立っていた。

身体を切断され倒れていたはずの

狂獣がさっきよりおぞましい姿に

変貌し、鋭い眼光をこちらへ向け


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