妖精の夢
神秘的な森の奥に小さな妖精がいました。
「あなたの夢はなに?」
「偉大なご先祖様たちが築き上げた妖精らしさを取り戻すの。年寄りも若者も堕落しきってバカみたい。私が好きな妖精国はこんなんじゃないわ。」
「そう。」
***
ある日、少数で荒野を飛ぶ妖精さんたちに出会いました。
「なぜこんな荒野を飛んでいるの?」
「新しい妖精国を作るためよ。」
「ご先祖様たちが築き上げた妖精らしさを取り戻すのが夢じゃなかったの?」
「……歴史は真似るものじゃなくて、参考にするものだったの。でも、それをするには確固たる自分の信念が必要なの。信念を歴史という布で磨いていってこそ、真に歴史から学ぶということだった。でも、私がこの結論に辿り着いた頃には、私の信用は無くなってた。無理もないわ。過去を妄信して押し付けてしかいなかったのだから。そんな私に残された手段は1つ。実際に作ってみせるの。理想の妖精国を。」
「……あなたはそれでいいの?」
「こんなに苦しくて辛いのが良いわけないじゃない!!みんなが怠惰になるのも頷けるわ!でもね、後悔はしてないの。たとえ理想に殉じることになったとしても、そんな馬鹿な私を私は褒めてあげるわ。」
「そう。」
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