エピローグ

 半年後、美紗は智華と和崎恵と三条路彩香に加え、嫌がる数馬と一助にむりやり『平和の使者六<霊神>』のコスプレをさせて昔を懐かしもうとする。

さすがに身体の大きな男らはぱっつんぱっつんで腹がむき出しだ。

ミニスカートは腹巻にしか見えない。

短パン履いてるから良いようなもののそうでなければパンツ丸出しだ。

静を呼んで写真を撮ってもらうが、静も笑い過ぎて手振れし何度も写し直すが一向にまともに撮れない。

「せやかて、数馬と一助みたらおかしゅうておかしゅうて写真どころやおまへんがな。はははははっ」

笑い転げる静。

その声を聞きつけて一心がやってきて、いきなり「ぎゃははっ……」言葉も出せないくらい大笑い。

「ねぇねぇ、記念だから、数馬と恵ちゃんツーショット写そう」美紗が静からスマホを受取って嫌がる恵ちゃんを無理やり並べて撮る。

「次は、一助と彩香ちゃんだね」美紗が言う。

「嫌だ。私、こんなひとと恥ずかしい」と、彩香。

「ダメダメ」すでに撮られた恵ちゃんが彩香を抱きかかえるように一助と並べる。

「次は、数馬と一助で間に母さんと父さん入って」美紗が命じる。

「えーーっ、こんな奴らとか、美紗と恵と彩香となら良いけどよ」

一心の我儘を一切聞かず無理やり数馬と一助が夫々腕をがっちり掴んで無理やり撮る。

いい加減笑ったところで「やっぱ、その二人ダメだわ、母さん代わってよ」と、美紗は静に代役を押し付ける。

「あと、誰かいないかな?」と、智華。

「せや、十和ちゃんなら似合うで」静が言って一助が呼びに行った。

十分かかって一助が十和ちゃんの手を無理矢理引いてきた。

「私も大将も、一助さん見て大笑いで、お店のお客さんも吹き出しちゃって大変でした」

そう言う十和ちゃんも笑い過ぎて涙を流している。

 

 十分ほどして静と十和ちゃんが着替えてきた。

「やぁー母さん、女学生みたいじゃん。以外に似合うで」美紗は五十過ぎの女子高生に笑いが止まらない。

「そないに笑わなくてもえぇんとちゃうか? どうや、一心」静がそう言ってくるりと回ってスカートの裾をひるがえさせる。

「おっ、太ももまで丸見えだ」一心は嫌らしいことを想像したのだろう静のデコピンを食らう。

「十和ちゃんは女子高生そのままだな。ブレザーもミニスカートも全然違和感ないわ」と、一心。

「じゃ、親父、写真撮って」美紗が一心にスマホを渡す。

写し終わってみんな揃ってパソコンの画面で写真を見て、もう一度大笑いする。

美紗はその笑顔のまま<六霊神>の生き残りの智華とふたり見つめ合って、ぽろりと一粒の涙を零した。

 

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平和の使者<霊神>殺人事件 きよのしひろ @sino19530509

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