我、敵艦隊ヲ発見ス(二)
偵察飛行中に発見した敵艦艇から思わぬ伏兵が現れた。蒼天に白い翼を広げる天使が二機、左右後方から私を挟み込むように追尾してくる。
「ウェリエル、敵は第九位階で間違いない?」
『映像を確認。第九位階【
「よし……!」
それならば振り切れる、と私は少し楽観した。同じ第九位階でも特殊ユニットであるウェリエルは僅かながら性能面で天使を上回っており、推力を全開にすれば追いつかれることはないはずだ。
『至近弾
だがいくつもの光弾が身を
「駄目か……威嚇射撃くらいはしなきゃ」
ならば敵にも回避行動をとらせようと、七・七ミリ連装魔銃の銃口を後方に向けて魔銃弾をばら撒く。だが相手は戦い慣れた様子でこちらの威嚇射撃など意に介さず、さらに距離を詰めてきた。
ちらりと後方を振り返れば、ぴったりと追尾されたまま
『至近弾
「……ええい!」
相次ぐ至近弾を受けて私は焦ったのだろう、思い切ったように見えて中途半端な行動を取ってしまった。体を捻って上昇しつつ左側の天使に狙いを定めて一連射、二連射。だが赤く光る弾列は軽やかに回避する敵に触れることなく空に吸い込まれ、ただ速度と魔力を浪費しただけ。そればかりか好機と見たもう一機の天使が肉迫しつつ続けざまに光弾を撃ち出し、一弾が右の肩口に直撃。体を覆う虹色の障壁に弾けて光の飛沫を虚空に散らす。
『被弾確認。
「くうっ! 私の馬鹿!」
どうやらこの天使は
左右からの弾列を
「うそ、こんな時に!」
ごく
『高度急速低下。緊急制御の必要を認めます。
「許可! お願い、ウェリエル!」
間一髪。ウェリエルの緊急制御のおかげで海面ぎりぎりで、いや、海面に片足を引きずるように着水させつつ体勢を立て直す。おそらく墜落必至と判断したであろう二機の天使から僅かながら距離をとることができた。
「
『
「
海面を
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