第2話
ご飯を与えられない日すらあり、みぞれはガリガリになっていた。
もうみぞれが危ない、と思い、お母さんのもとにみぞれを連れて行った。
***
「お母さん、みぞれが体調悪そうだよ、このままじゃ、死んじゃうよ……」
私がみぞれを見せると、お母さんはびっくりしていた。
「まあ、どうしたのミサ、あら、大変!?みぞれが、お父さん!お父さんみぞれが!」お母さんは慌てた様子でお父さんを呼んだ。
***
「栄養失調ですね」獣医の先生は言っていた。とりあえずみぞれは栄養剤を点滴で受けることになり、別室にいた。しばらく立つと看護婦さんに「入って良いですよ」と言われたので、別室へ向かった。改めて見るとみぞれはかなりやつれており、やつれたみぞれが点滴を打ってよわよわしく鳴いている姿はあまりにも切なかった。二人はは絶望のあまり、ぼーっとしたような顔でずっと俯いていた。
やがて、みぞれの点滴が終わると、また四人で家へ戻った。
***
家に帰ってすぐ、お父さんとお母さんが喧嘩を始めた。
「みぞれがあんなふうになってしまったのはあなたのせいよ、あなたがうるさいって言うから!」
「知らねえよ、閉じ込めたのはお前だろ」といった感じでずっと互いを攻め続けていた。
そこに、みぞれが来た。
「二人ともやめて、仲良くして」と言うように優しい声で鳴くと、二人はハッとしたらしく、
「今までこんなことをしてしまって、本当にごめんなさい。私達の自分勝手な行動で、あなた達を傷つけてしまった。あなた達からの信頼を取り戻すことは難しいけれど、できる限りのことを尽くすわ。だから、これからも私達子でいてくれる……?」
と謝ってきた。正直、私もみぞれも怖かった。また、再び閉じ込められてしまうのではないか、またご飯がもらえなくなってしまうのではないかととても怖かった。でも、私達の本当の親は二人だけ。だから今は二人のことを信じてみようと思う。
***
その後、二人は改心したらしく、私達はみんなで幸せに過ごした。公園だって自由に行けるようになったし、お花見だって一緒に行った。夏は海に行ったし、みぞれは季節が変わるごとにぐんぐん成長していく。普通の日々はこんなにもしあわせなんだと改めて気付かされた。
***
私、ミサはじつはみぞれとおなじ、猫だ。人間ではない。そして、これを読んでいる人には動物を閉じ込めたり意地悪してしまったと言う人がいると思う。だけど、私達動物も、一人一人の人間のように意思があるのを忘れないでほしい。
ちくわだにょwwww @sasisusesso
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