最終話:このSFみたいな出来事は全部、俺の願望?

未来から来た女の子は、俺や俺に関わる周りの人たちも含めてそれぞれの

運命を変えた。

そして俺の時代で桃は俺と結ばれた。


俺が自分の未来を描いたとおり桃はこのままここで生きていくのか?

もしキューブが直ったとしたら・・・そしたら桃は未来に帰るのか?

桃がどっちの時代を選ぶかは彼女次第。


おそらくキューブには一人しか乗れないだろう。

だから逆に俺が桃の未来に一緒に行くことはできない。


もう一度桃に確かめてみた。

桃はここに残って俺と一生をともにすると言った。

もちろん日本の法律では夫婦とは認めてもらえない。


でも結局俺と桃は、下屋敷の別荘を借りて細やかな結婚式を挙げた。

シモと澪と数人の親しい人たちに祝福されて・・・。

そして、俺と桃は沖縄に新婚旅行に出かけた。


向こうでレッタカーを借りてホテルのアミューズメントとリゾートを楽しんだ。

桃の時代では沖縄は日本から離脱して独立国家になってるんだそうだ。


だから桃は沖縄に来ることができて喜んだ。

沖縄はカップルで来るのはベストなリゾート地、普段でもラブラブな

気持ちでいるのに、この環境はより一層桃への想いを募らせた。


だから、このまま沖縄に移住してしまおうかと思った、

カメラマンである俺にとって本拠地は日本中どこでもいいわけだし。


「あのさ、私が来なかったら大輔、澪さんと結ばれてたと思うか?」


「あ〜それは、たぶんなかったと思う」


「え?澪さんとは上手く行く自信なかったのか?」


「どうなんだろ・・・それもそれぞれの運命だろ?」

「俺はたぶん、桃が来なかったら、いまでも一人でいたと思うよ」

「でも、幸せは未来からやって来たからね」


「って言うか俺には分かってたから・・・」


「分かってたって?・・・なにが?」


「ずっと遠い未来から俺のために俺への愛を引っさげてひとりの妖精が

やって来るってことがさ」


「またまた・・・私が現れた時大輔、鳩が豆鉄砲食らったみたいか

顔してただよ?」


「それは、やって来た妖精さんがめちゃ可愛かったからだよ」


桃は嬉しそうに笑った。


その後、俺と桃の間に、めでたく男の子が生まれた。


その子の名前は「青山 未来あおやま みらい

ハーフとの子だからクォーターになるわけ。


だけどある朝目覚めたら、桃がいなくてやっぱり俺一人しかいなくて寂しい

部屋で孤独に暮らしてたりして・・・。

このSFみたいな出来事は全部、俺の願望なのかもしれない。


そして部屋の隅に置かれていたキューブが自動修復してキューーーンって

音を立てて再起動した。


おしまい。







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コーヒーフレッシュ入りポテトサラダ。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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