第23話


 その後、王は持ち直した。

 ただし予断は許されず絶対安静で、しばらくは小康状態が続いた。侍医は常に状態を診られるように詰めており、王后もずっと付き添っていたらしい。

 そうして誰もが神妙な顔をし、王城が静まり返ってひと月程経った頃だった。

 王の容体は急変した。今度は次、は無かった。

 よく晴れた初夏の日だった。新緑の木々を抜ける清々しい風と共に、王は逝った。


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