第2話
〈綺麗な記憶〉
「うわぁ、綺麗なところだね!」
「そうだね。」
綺麗…なんだけど、よくわからない形の石?がある。あれはなんだろう?
「お嬢さん達、ちょっと良いかの?」
おじいさんがベンチに座っていた。
「あ、はい。」
「記憶の欠片を探すのを手伝ってくれぬかのぉ…。ちと厳しくて……」
「わかりました!おじいさんはベンチで休んでて下さい!」
「ありがとう。ここらへんにあると思うのじゃが」
「はい!」
記憶の欠片を探そう。周辺から探してみる。
おじいさんの座っているベンチとは違うベンチの下に輪っかがあった。硬いし、真ん中に何かを取り付けられそう。
どこに取り付けれるのかな?……できた。あとはこれを回すのかな。
回すと、よくわからない形の石から水が出てきた。
「あ…綺麗…。」
水と一緒にキラキラしたものが出てきた。
「あ、記憶の欠片見っけ!」
おじいさんに渡すと、記憶の欠片は消えた。
「ふぉっふぉっ。わしは『噴水と虹の記憶』なのじゃな。」
「あの石は噴水だったんだね。」
「ここで『あの子』はよく噴水を見ていたよ。虹をみるために、毎日決まった時間にのぉ。」
「私も、よく噴水を見てたよ。とても、綺麗で、キラキラしてて。」
「わしは大事な思い出だからそろそろ行くかの。お二人さん、ありがとう。」
そう言うと、おじいさんは消えた。
「どういたしまして。」
私は噴水の方を向く。そして、聞きたいことを聞いた。
「ねえ、どうして記憶の欠片があるってわかったのかな?」
「ここは記憶で出来ているんだよ。記憶がこの町を作ったんだ。そして、皆、記憶の欠片があるような場所が1番落ち着くみたい。」
「うん?よくわからない……」
「元の場所に帰ろうとしてるって言えば良いのかな?」
「よくわからない。でも、これから出会う人達の近くに欠片があるってことだよね。」
彼は頷いた。私は、困っている人を見たら助けたいと思った。
・・・
「わぁ…きれい…」
「――ちゃん、あれは噴水っていうんだよ。」
「ふんすい?きれー!キラキラしてて、あ、虹だ!」
「あそこに座って一緒に見ようか」
「うん!」
それから、少女とそのお母さんは、噴水を見続けていた。
そして少女は、一人でも、この噴水を見るために庭園に遊びに来ていた――。
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