第1話炎の輪舞曲【前編】



この世界が破滅する事が確定して1年

世界が崩れるには十分な時間だったのだろう

今この世界でまともに仕事(役割)を果たしている人間は1人もいない皆あと残された時間を自由に使うことに必死だ、気に入らない奴は殺し

女を犯したければ犯す、欲しいものは奪う、

確かにそんな事は間違ってると言って立ち上がる正義感?を持っている人もいた、だがそういう人間は助けに入ったりしても返り討ちにあい

全員死んだ。

いつしかそんな人間いなくなってそちらに加担する人間が増えた。

それは誰もが責められない事ではあるしある意味当たり前のような光景に感じた。

毎日どこかで女性の悲鳴や人の呻き声などもうただのBGMとかしていた。

一部の偉い人達はまだ諦めていないのか別の星に逃げるや地下にシェルターを作る計画を進めていた。

だがそんなのが仮にできたとしてもこの世界の120億もいる人口を全員収容できる訳もなく殆どの人はそんな事に期待していない。

もうこの世界の終わりを受け入れている。

だが悲観的なら事ばかりとも言いきれない

この世界に希望もない人達にとっては後2年でこの世界ご終わる事は確定してるのだからある種の救済とも取れるのではないだろうか

そんなのはなんの意味もない事だけど

まぁボクもその1人だ別に死にたい訳ではなかったが、いつ死んでもいいとも思っていた。

だから今この現状をら受け入れるのは早かった

これで終われるという一抹の安心感みたいなものもあった。

だからこそ後のこの2年を生き抜いてやろうとも考えた。

とはいっても特に何をするわけでもなくただ日々を過ごしているだけだが...

今日も夜の街を徘徊していた、目的がある訳では無いそこに食べ物があれば貰って帰るし使えそうな物があれば使う程度のものだ、誰かと関わる事もなく日々を過ごしている。

そんな時の事だ

「きゃ〜やめて!」とどこからともなく女性の悲鳴が聞こえた。

またかとも思いつつも以外と近いとも感じた。

別に助けるつもりもないが興味本位で覗きに行った。

確かこっちの方から聞こえて来たようなと周りを見渡していると1人の女の子が立っていた。

その目線の先には1人の中年男性がいた。

しかも首元に包丁を突き立てていた。

なんか自分の想像していた光景とは違ったなと思った。

「お父さん、早まるのはやめて!」

と女の子が叫んでいる

どうやら親子のようだ。

なんだと少し残念な気持ちではあるが特に問題もなさそうなので立ち去ろうとした時に男と目が合ってしまった。

男は「なんだ!?お前は何見てやがる」と言ってきた。

ボクは「ただの通り縋りだから、気にせず続けて」と返した。

しかし女の子がこちらに振り返り歩よって来て

「父を止めてください」と助けを求めてきた

正直めんどくさいと感じていたし断りたがったが女の子のあまりにも必死な表情と腕を掴む力が思ったよりも強く断り切れなかった。

ここに来たことを後悔しつつボクは男に

話しかけた「無駄な事はやめませんか?」

「なんだお前は!?

こっちの事情も知らない癖に口出してんじゃねぇ」と男は怒る。

ごもっともな意見だ、ボクはこの人達の事はなんにも知らない。

別に死にたいなら死なさせあげてもとも思う。

「別に今死ななくてもあと2年したらどうせ死ぬんですから」と半ば投げやりに言った。

それに女の子が便乗してきた

「そうよ!なにも今死ぬ必要ないわ!?

残された時間精一杯生きましょ?」

でも男は「俺はもう辛いんだよ、楽にさせてくれ」と懇願する。

「あの〜?何がそんなに辛いんです?

多分今この世界で幸せな人なんていないと思いますよ?」とボクは言った。

男はキッとこちらを睨めつけたがすぐに下を向いて「そうだよなぁみんな辛いんだよな〜

そんなことはわかっているんだよ

でも辛いんだよ」と言って泣き出してしまった

非常に面倒くさい展開になってしまったが仕方ないので「あなたの胸の内を話し見たらどうですか?1人よりも皆で考えた方が少しは楽になりますよ?」と提案した。

男はゆっくりと自分の胸の内を話しだした。

要約すると娘と2人で暮らしているがその日食う物も満足になくいつもその日暮らししかも悪い連中が娘に目をつけ家に押し入り娘を慰み者にしていくそれを目の前で見せつけられるがどうするのとも出来ずにじっと耐えているだけ

逆らおうにも相手は武器を持っており勝てない

しかもそいつらは少しの食料を置いて行くのでそれでなんとか生きている

そんな現状が我慢ならないと

その話をしている間女の子はずっと下を向いていた。

自分をそんな目で見ないでというように

確かに辛い現状ではある娘がそいつらに犯されているのずっと見せられていてしかもその食料で生きているなんて

だがそれが今のこの世界の現状であり、

力が無いものは仕方ないとも言える。

「あなたはどうしたインですか?」

と聞く

「復讐してぇ」と小さく呟く

「だったらすればいいじゃないですか?」

「お前、相手は武器を持っているだぞ?

しかも拳銃を!」と音は言った

この時点で相手は誰かは容易に想像出来た。

おそらく前までこの国の治安を護っていた奴はだろう

だがそんなものもうこの世界には無い

何やりそんなものを真っ先に潰したのが奴らなんだから

自分達が持っている武器を独占しやりたい放題していた。

逆らう者を容赦なく撃ち殺していた。

まぁこの世界が狂ってからそうなることは予想出来たのだが

ボクはもう少し詳しく話を聞くことにした。

そしてわかった事は奴らはいつも酒を飲んで酔ったあとに来るらしい

酔って気分が良くなった後に女を犯そうとそういうつもりなんだろう

しかもいつも3人できて順番に犯して行くらしい

だったらまだやりようもある

酔っているなら注意力は散漫しているから隙もあるはず

「復讐してやりましょうよ」とボクは言った

「そんな事ができるのか?」

「要はやりようですよ?

罠にかけましょう」

「仮に失敗して殺されても自殺するよりは意味がありますよ」とボクは言った

「確かに、そうだな!」と男は乗ってきた。

面倒くさいが乗りかかった船だけらやってやる!

それになんだか面白くなってきた。

ボクはそう思い色々罠を考える事にした

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終わる世界に @jiu07760

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