第4話 狂乱たる聖なる魔剣

あらゆる時代、あらゆる時間軸でその剣は世界を見ていた。

聖剣でありながら多くの生物を切り裂き多くの魔素を得た。

創り出したのは名もなき神の一柱。

下級神の一柱。


名によりも優しく残酷であった神。

何よりも人を想い散った神。

最後に力を渇望し自分の命と引き換えに創り出した聖剣


魔聖剣グリドラ


本来ならば名前すら聞けるものではなかったが‥‥。


「それは君の造物主の願いに反するのではないかい?」


目の前の超越種にグリドラと名乗った聖剣は刀身を震わせる。


「1000年か、1000年も経過して人型にもなれないのは三流にも至らないな」


月天はため息をつきアレクとアセラに声をかける。


「どんな背後の物語があるかわからない、対話しても?」


2人は黙って頷くのをみると六芒星の魔法陣を召喚した。




「ここは?」


「精神世界の召喚、いわゆる君の持っていたグリドラの精神世界だね」


夜空のような黒い世界と月が見えるような世界にアレク達は頷く。


「まあ支配はたやすいし、俺のレベルもあがったわけだから、まあ慢心はしないがね」



月天は笑いながら指をさす。


「さあ君達が護ってきた聖剣の精神体だ」



目の前に現れたのは黒い小型の竜



「ぐるぐる!!」


「ふむ、竜言語しか話せないとなるとレベルが足らないのだな」


月天はふむと頷き


「造物主の世界への嘆きを叶えようとし、魔に転じたはいいが、本来の聖属性が魔属性と相反し、経験値は本来の10分の1しかたまらず、君の力を恐れた神に封印され、今に至る、そもそも変質した聖剣であるわけだから勇者の祝福ではなくまた別の祝福を与えられる、ちがったルートであるから、勇者の儀式ではだれも抜けないだろう」


「どうしてそこまで?」


「なに、解析のスキルをもっているだけさ」


「解析って鑑定の上位スキル?」


「まあそれ以上もあるといっておくが、まあ手札はそこまで見せるものでもないからねえ」


そういうと月天は目の前のグリドラに声をかける



「さてアレク君、この子は俺が抜いても?」


「僕たちは守り人で、勇者を探す役目があるから、そこに該当するならば」


「なるほど、では問題ないね」


2人を見ると同時に微笑み。


「さあグリドラ、君の望みかなえてあげよう」



グリドラの頭を軽くなでると同時に世界に光が出現する




魔聖剣グリドラ



竜の因子を含む名もなき下級神の創作剣。


能力

消失と破壊


星滅龍との邂逅により


神話級から創造級にランクアップ。


星の力の混入により


魔聖星剣グリドラに進化



能力

重力と消失と破壊と再生


無尽蔵の力を圧縮し無限の再生ができます。





「あら、存在接触による進化ですか、久し振りにみましたね」


リステアの言葉に


「なるほど」


驚いた顔をしている二人の顔をみながら月天は微笑んだ。


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龍王のスローライフ シンゴペンギン🐧 @ganjisu14

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