スマホ

ゴローさん

スマホ

「あっやば……スマホ割れた」


 スマホの液晶に日々が入っているのを見て俺は歯ぎしりした。


 液晶の保護シートを張っておけばよかったなぁ…


 後悔したところでもう遅いが、悔しげに歯ぎしりをする。


 一応ヒビが入っていても使えるかどうか確かめようとしたが、すでに画面の殆どが黒くなってしまい使えそうにない。


「しょうがない。ちょうど古くなってたし新しいの買い換えるか。」


 男はプラス思考が得意なようで、切り替えるようにひとりごちた。



 ◇◇◇

 あるメッセージアプリのグループトーク



 今度海行かない?

 あり

 ちょうど行きたいと思ってたところ!

 俺も行ける

 〇〇!お前はどう?

 おーい

 無視すんな―

 おい無視は感じ悪いぞ

 そんな無視するならこのグループから外すぞ?ええんか?

 返信がないっていうことはそういうことなんやな

 ――〇〇がこのグループから削除されました――



 ◇◇◇

「うわすげぇ!カメラが3つもついてる!」


 購入した最新型のスマホを見ながら、俺は家で興奮していた。

 これなら、鮮明な写真が取れる……!


 嬉しくなった男は友だちが集まっているグループラインに自分の家の外の写真を取って送ろうとした。

 が、


「あれ……ない?」


 そのグループは見当たらなかった。


 結局、この元のグループの関係が修復されることはなく、男は孤立してしまった。


 このあとどうなったのかは誰にもわからないし、ここに書くつもりもない。

 大事なところはそこじゃない。


 本質は当たり前のことに聞こえるかもしれないし、今まで耳にタコができるくらい聞いてるかもしれないけど。



 いじめはやめよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スマホ ゴローさん @unberagorou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ