2024/08/05 第1回 本棚企画終了です ほか

 ぜんぶで52作品の応募がありました。感謝です。みなさんから応援のメッセージやアドバイスもいただけてとっても嬉しいです。

 第2回本棚企画も始まっています。奮ってご参加ください。ただし、ちょっと注意してほしいことがあるので要項はしっかりと読んでください。

 https://kakuyomu.jp/user_events/16818093082326079107?order=published_at


カクヨムではアカウント開設から1ヶ月が経過することで、自主企画、つまりカクヨムのサイト内に本棚企画を立ち上げることができます。それで、私が作成した本棚企画のせいで星0相当の作品をあれこれ読まされた結果、私は堪忍袋の緒が切れて、カクヨムの「ブロック」を初めて使うことにしました。第2回本棚企画の企画内容のテキストを引用します。


 藤井由加です。ミステリ小説の本棚2です。

 前回は50作を越える応募がありました。今回もたくさんの素敵な小説をお待ちしています。アドバイスも待ってます。

 ※要注意※

 私が立てた「ミステリ小説の本棚」(リンクは下に) に提出したことがある作品と同じ作品を勧めてくれた作家さんは分かり次第即ブロックします。この本棚に作品を推挙する前に、同じ作品を以前私に紹介していないか確認することをお薦めします。なお、こちらでは8月2日午前7時以降に本棚に作品を残していた作家と作品のリストを独自に作成しておりますので、本棚終了直前に企画への参加を取り止めて下のリンク先に名前が無くてもブロックの対象となる場合があります。ご注意ください。

 https://kakuyomu.jp/user_events/16818093081863790809?order=published_at

 私の新作はこちらです。

 「自転車は2台」

 https://kakuyomu.jp/works/16818093082133763967/episodes/16818093082172117958


これまでにブロックが発生した作家さんは6人でしたが、この文章を書いている日の前日に、すべてのブロックを解除しました。現在の私は誰もブロックしておりません。しかし、恐らく1人のユーザーからはブロックされたままになっているはずです。それについては次の枠で説明します。


独自の本棚リストは今も継続しています。今後、既にリストに載っている作品が推薦されてきた場合には、そっと本棚から削除するか、Twitterでの本棚企画の場合は、他の作品を推薦して頂くようにリプライをするだけに留めます。すべて覚えていますし、記録されていますからね。


 2024/08/05 日本語版第4話 お知らせ

 環は刃を当てれば切れるんだ。第4話「よいしょっと。」が完成しました。

 公開開始は8月16日17時。第3話公開開始の1時間後になります。

 今回の言葉選びは、日本語という言葉選び独特の表現を多数用いていますので、翻訳作業はかなり大変だろうなと思います。日本語版から読み取って欲しい言葉のニュアンスを、英訳しても残せるかどうかって、けっこう難しい問題なんですよね。機械翻訳などでは到底できないものです。

 これまでのエピソードおさらいは下のリンクからどうぞ。

 https://kakuyomu.jp/works/16818093079961888764


 2024/08/05 英語版第2話を更新しました。

 本文リンクはこちら

 https://kakuyomu.jp/works/16818093081121763644/episodes/16818093081362171701

 現在読みやすくなるように加筆中です。


英語翻訳の能力に関わる問題の意識を、私はこの時まだ引きづっています。できる限り日本語版の形を崩さない方向で、しかし言葉遊びに関しては思いっきり文章を変えて、英語でも伝わる言葉選びに改編してあります。例えば日本語版の第2話には「お母さん指」という表現が登場しているのですが、これは英語では "Index Finger" つまり「人差し指」になってしまします。


「お母さん指」という表現に含まれている「お母さん」の字面が、小説の裏に隠された意味の世界のために重要であったので、このニュアンスが英語にしたときに消えてしまうのは、翻訳が難しいところでした。結局、人差し指のところは諦めて、別のところに藤井由加を「お母さん」と結びつけるギミックを導入する翻訳に落ち着きました。それが実際にどこなのかは読者の皆さんが探してみてください。


そして「現在読みやすくなるように加筆中です。」というのは、アドバイスにもらった[話者のマークをつける]ことを検討してみようと思った気持ちの表れです。英語で書かれた小説は、(恐らく中国語でもフランス語でも、他の言語の小説には多いスタイルなのだと思いますが、) セリフの後に誰の発言なのかを明記することが一般的なのです。


日本語では、ちょっとした言葉選びの癖だったり、発言の結び方や語尾だったり、音便の使い方だったり、誰の発言として書かれた文章なのか、説明されずとも分かるケースが多いです。作家さんによってはそんなことは無いと思うかもしれません。


私の場合は、特に会話文の中でのキャラクターのセリフ回しに注意を傾けて、それによってどのように個性を表現するかが最も重要だと考えていますので、日本語話者のキャラの書き分けやすさは他の言語に比べて異常に易しいなって思います。この点の深い掘り下げは『よい翻訳ってなんだろー?』の方で取り上げたいと思います。


その一方で英語では、多少の音便表記や言葉選びの癖があるにはありますが、言語学者や方言研究者でもない限り気付けないような違いといいますか、話者のマークを置かないで会話文を書こうとすると、それは読者に優しくないといったレベルの話では留まらず、単純に文章が下手、というレッテルを貼られてしまいます。


なので、私もマークを付けていこうとしたのですが、それだと掲示板などで掲載されているSSみたいになってしまうなあと思って嫌だったのです。私が書きたいのは、書店に並ぶ本のような、小説らしい小説の形をした文章であって、娯楽のために分かりやすさ最優先のファスト・エンターテインメントではないのです。


私の小説では基本的に2人のキャラクターだけが会話している場面を多くしているので、別に誰が話者なのか、というマークを打たなくても読み取れちゃう場面がほとんどだと思います。とはいえ、3人以上の発言が同時に入り乱れる会話文も皆無ではなかったので、そのような場面では発言がある旅に誰の言葉なのかを明記する加筆を行いました。2人だけの会話が成される場面では、会話を切り出した人が誰かだけを明記して、あとは交互に言葉を交わしていくだけなので、読者に行間を補填して貰えるはずと任せきりにしています。


第4話まで読んで頂ければ分かると思いますが、発言の主がボヤけがちになっているのは、第1章の最後に登場する遺体の正体が誰なのか曖昧なままという終わり方に結びつけたかったための意図的な物です。「その発言は誰に帰属するのか」という問いに読者を誘導することで、「火事で黒焦げになった遺体は誰に帰属するのか」という問いを読者が自分で考えたくなる構成の工夫であったので、そこはできる限り崩したくない日本語版の形でもありました。

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