シャッターを切るときも、君と触れていればよかった

読者も、主人公が見たアルバムを追体験できるところが、凝っていて凄くいい。
語尾の書き方、風景や音、匂いなどの描写が豊かで臨場感がある。

昼夜逆転の生活で引きこもり、社会とのつながりが希薄な淳。
幼馴染である茜と写真を通じて、自己肯定感を高め、成長していく。

シャッターは、特別な瞬間を切り取る行為。
写真は、思い出を保存する手段。
淳を理解しようとする茜の行為は、心のシャッターが開かれる瞬間とも言える。
最後、淳は彼女に心を開き……果たして。