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日々が過ぎるにつれて、玲と響の間には確かな絆が生まれ始めていた。玲は学校での生活が少しずつ変わっていくのを感じた。これまで一人で過ごすことが当たり前だった彼にとって、響の存在は特別なものとなっていた。
一方で、響もまた、玲との時間を楽しむようになっていた。彼にとって、玲は自分を理解してくれる数少ない友人であり、その存在が心の支えとなっていた。
ある放課後、玲は響に「今日は、俺の行きつけの場所に行こう」と提案した。響は少し驚きながらも、「うん、行きたい」と答えた。
玲が響を連れて行ったのは、学校から少し離れた静かなカフェだった。そこは、玲が家族と離れて一人で過ごすために見つけた場所で、彼にとって特別な場所だった。
「ここ、静かで落ち着くから好きなんだ」
玲はカフェの中に響を案内しながら言った。
響は店内を見渡し、「本当に素敵な場所だね」と微笑んだ。二人はカフェの奥の席に座り、静かな時間を過ごした。
玲はコーヒーを飲みながら、ふと響に尋ねた。
「お前、これから先、どうしたいとかあるのか?」
響はその質問に少し考え込み、「今は、特にないかな。でも、玲と一緒にいると、少しずつ元気になれる気がする」と答えた。
玲はその言葉に胸が熱くなった。彼は自分が響にとって、そんな存在になれることが嬉しかった。彼にとって、響は特別な存在であり、その感情が次第に強くなっていくのを感じていた。
冬が近づくにつれて、響の体調が悪化していくのを玲は感じていた。彼は響が無理をしていることを知りながらも、どうすれば彼を助けられるのか分からず、葛藤していた。
ある日、響が突然体調を崩し、学校を休むことになった。玲はその知らせを受けて不安になり、彼の家を訪ねることにした。
響の家に着いた玲は、家の人に事情を説明し、響の部屋に通された。そこには、ベッドで横になっている響の姿があった。彼は少し弱々しく見えたが、玲が来たことに気づくと微笑んだ。
「玲…、来てくれたんだ」
響はかすれた声で言った。
玲はベッドのそばに座り、響の手を握りしめた。
「お前、大丈夫か?」
響は弱々しく頷きながら、「ちょっと体調が悪いだけだよ。でも、玲が来てくれて嬉しい」と答えた。
玲は響の手を握りしめたまま、「無理するなよ。俺、お前がこんなに辛そうにしてるの見るの、嫌なんだ」と言った。
響は玲の言葉に胸を熱くしながら、「玲、ありがとう。でも、僕は玲がいるから頑張れるんだ」と答えた。
その言葉に、玲は自分が響にとってどれほど大切な存在であるかを改めて感じた。彼は響を守りたいという強い気持ちを抱きながらも、自分の無力さに苛立ちを覚えた。
恋したい。 神谷類(カミヤルイ) @kamiyarui
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