第2話 その首は
かんかんかんかん
踏切の音がする。
ここがどこかと見まわそうとするけど、なぜか周りが見えない。
ごおぉ!!!
空気の圧が右から左へと流れていく。
その圧によろめきながら、体勢を立て直す。
足はある。立っていられるから。
手はある。膝を右の左の膝を支えに体勢を立て直したから。
また、かんかんかんかんと音がする。
今度は空気の圧が左から右へ流れていく。
今度はよろめくこと無く立っていられた。
でも周囲が見えないのは不便だ。
スマホで現在地を確認することも、明かりをつけることも、助けを求めることもできやしない。
顔が『有る』のは分かっている。
だって『音が聞こえる』から。
だから『見えない』のはとても不便だ。
そう思いながら顔を触ろうとする
だが、そこは『なにもなかった』
音が『聞こえる』のに?!
今度は肩から首へ、そして顔に向かって手を滑らすがやはり『ない』
どうして?!
と焦っていると『光が見える』
細い光が『見える』
ならばと目を『開けた』
『相手』と『目が合った』
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ねぇ聞いた?この辺で有名な美人の子▲▲▲さんの家の子。
最近見ないじゃん?なんでかな~?って思ってたのよ。そしたらね、行方不明だったらしいのよ!
半年?前に家から居なくなったらしいのね。
警察も調べたらしいんだけど、靴もケータイも財布も服も全部家に有ったんだって。
であの子美人じゃない?ストーカーが居たみたいなのね?
相手の男はどんな奴だ?違うのよ、女の人らしいの!!!
女の人よ?驚いちゃうわね!
▲▲▲さん家にそのスローカー女が入って何かを持って出てくるところが近所の防犯カメラに写っていたみたのね?
それで警察が調べに行ったらストーカー女が▲▲▲さんの娘さんの首をもって線路脇に立っていたらしいのよ!
しかもよ?その首を自分と向き合うようにしてじーっと立っていたんですって!!!
怖いわよねぇ?
水面から見る月は @mimeiY
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