第1話

───ピーンポーンパーンポーン

芦ケ谷亮介あしがやりょうすけ君、至急職員室担任まで来なさい。


あぁまた始まったよ、呼び出したところで、いつも言う事はかわんないじゃないか、何が楽しくて、あいつらは、俺を呼び出し説教して時間を無駄にするのだろう。俺もお前らも時間の無駄では無いか?


そんなことをぐちぐち思いながら、亮介は職員室へ向かった。扉を開けると、そこには仁王立ちした担任の松坂まつざかが立っていて、眉間には、シワが寄っていた。


「なんで呼び出されたか、わかってるよな。」

亮介は下を向き、頷きだけする。

「また喧嘩か、ったく、懲りない奴だな。」

悪かったな、懲りない奴で。

「今度は何が原因だ?金か?女か?」

今時の教師がそんなことを言っていいのだろうか。喧嘩の原因が金か女かなんて昭和のヤンキー漫画じゃあるまいし。

「いちいち時間を取らせるなよ。どうして合う手間暇をかけさせるんだ?黙ってないで、何とか言ったらどうなんだ。」

「……」

「おい!!」

そう言って、松坂は俺のスマホをいじる手を掴んだ。

「うるせーなカタブツ、その手離せ今すぐ、懲りない奴とか言いつつ、ほんとに懲りてないのは松!」

決まったぁ、、、

「……大丈夫かお前。」

不信がある松坂に背を向け、亮介はその場立ち去った。





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誰がために我ゆえに 雨宮ほたる @Ringojamapple

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