第3話盗み聞きするクール姫

ようやく授業が終わり教室ではみんな部活の準備をしている。


この学校では部活は強制ではないが多くの人が部活動に所属している。


俺は一人暮らしをしていてお金を稼がないと暮らしていけないから部活よりバイトを優先している。


それに中学の怪我がトラウマで運動することが少し怖い。


今日は珍しく涼太の部活が休みやらしく一緒に帰ることになった。

ちなみに涼太はバスケ部のエースである。


「そう言えば最近佐藤さんの迎えの車みないね」

「確か。前まではいっつも正門前で止まってたのに」

「歩きたい気分なのかな?」

「お姫様の考えてることはわっかんねー。」


佐藤さんは前まではいつも迎えの車を呼んでいた。

彼女はお金持ちの家に住んでいるのでこれぐらいは普通だと言う。一般人の俺たちには彼女の気持ちはよくわからない。


「あ、そーいえば今日行くバイトの飲食店来月で移転するんだよ」

「え?まじ。じゃあまた新しいバイト探すの?」

「もちろん。この飲食店時給高くて良かったんだけどなー」

「いくらぐらい?」

「深夜料金入って1800円!ちなみに深夜1時まで入ってる!」

「まじか!それは高いな!」


お金が欲しい俺はバイトを2つやってる。

一人暮らししてる理由はただ単純に高校生になったらしてみたいって思っただけ。

って言うのは嘘で、本当は家で女の子とイチャイチャしたいってことが理由。

でも俺にはそんな女の子がいない。悲しい。


「じゃあ俺がいいバイト教えてあげよっか?にや」

「え?そんなの知ってるの?」

「お前メイド喫茶の執事役バイトしろ」

「はぁ!?」

「お前自分じゃわからないかもだけどそこら辺の男よりかっこいいからな!それにモテるぞ!にや」

「涼太に言われると嫌味にしか聞こえない」

「安心しろ俺がかっこいいっていってるんだから」


涼太は学校ではイケメンエースとしてどの学年も知ってるぐらい有名だ。

ボイスの試合なんか8割ぐらいが涼太目当てで見に来ることだってある。

まぁそれはおいといてメイド喫茶バイトか。

時給が高いならやってみたい気持ちはあるけど、


「ちなみに時給は?」

「なんと時給2000円!」

「に、2000円!それはちょっと興味ある」

「じゃあ帰ったら詳細携帯で送るわ!」

「ありがと!じゃあまた明日!」


涼太と別れ少しバイトを考えた。

メイド喫茶とか少し恥ずかしいけど時給2000円ならありだよな。それに可愛い子もいるって、、

でも佐藤さんみたいな人いるかな、、


〜神子side〜

今日も鳴神くんの後ろをこっそり歩いて行く。

いつもどこかで偶然会ったふりをするつもりなのに恥ずかしくて結局声をかけられない。

今日で迎えの車を呼ばなくなって2ヶ月立つのに。

でも今日は鳴神くん1人じゃない。

なんであの男がいるのよ邪魔。

何か話してる。ちょっと聞いてみよう


「あ、そーいえば今日行くバイトの飲食店来月で移転するんだよ」

「え?まじ。じゃあまた新しいバイト探すの?」


鳴神くんが新しいバイト探してる?

ふふふ。ふふふ。私のところに来なさい。私を甘やかすバイト。時給1万円にしてあげるから。


「…メイド喫茶の執事役バイトしろ」


ん!?何?鳴神くんメイド喫茶のバイト?

だめ!絶対ダメ!絶対モテちゃう。

私だけの鳴神くんになるの!

これは早急に手を打たなければ

私はすぐに電話をした。

私のメイド役の花梨(かりん)に。


「花梨!今すぐバイトのチラシを1枚だけ作って!私をわがままを聞くバイト。時給1万円で。そこに電話番号書いてすぐに連絡できるようにしといて。帰ったらそれ持ってもう一回外に出かける。」


今日中に彼にこのバイトを引き受けてもらわないと。他の女に鳴神くんを絶対に渡さないから。






「もし断ったら今度からお部屋に閉じ込めておかなくちゃ」







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クールな美少女を助けたらいつの間にか病んでいる件 さろめ @sarome0318

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