霊能者からの手紙

覚書

 ・ 達筆で書かれた手紙のコピー

 ・ 宛名には矢中幸希の名前が記載されている

 ・ 文中に名前のある矢中幸造は弊社の創業者、幸一は二代目社長、幸希は現社長であり、三人は血縁関係にある



 

 拝啓


 突然のお手紙申し訳ございません。先代社長の矢中幸造様、二代目の幸一様のときに懇意にさせていただいておりました、御霊雅代と申します。

 

 先日、偶然、御社のそばを通りかかった際、本社ビルから非常に悪い気を感じましたのでご連絡いたします。


 もしや、先代にご指導申し上げたお祀りの作法を、息子であられる幸希様は継続されていないのではないかと思い、不躾かと存じますが筆を取った次第です。


 先代様が急逝された後、幸希様が社長として後を継がれたとお伺いしております。突然のことで、斎祀のことまで引き継ぐお時間がなかったのでは? ――と、たいへん危惧しております。

  

 しかしながら、このまま放置しておくと非常に良くないことが起こるかと存じます。

  

 つきましては、下記までご連絡いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 まずは略儀ながら、書面を持ってご連絡申し上げます。


 御霊 雅代

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