第2話 どこ舐めてんだぁ!!!!!

「うまうまうまうまっ」


俺こと貴家与一(さすがよいち)のふさふさ髪をむしゃむしゃする、薄着の幼女がいる。


うちの座敷童子だ。


ババババババババアーーン!!!!


ーーーー《座敷童子(ざしきわらし)》ーーーー


座敷ぼっこ(ざしきぼっこ)とも呼ばれている。家人にいたずらをしたり、幸福をもたらす妖怪。座敷童子がいなくなると家が衰えるという。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「座敷わらし、朝シャンしたての人の髪の毛よだれまみれにするな!!」


座敷わらしと呼ばれた女妖怪は、いたずらっこの微笑みで、えへへ、やだあ~と笑った。


座敷童子のイメージは、おかっぱの日本人形だが、この世界の座敷わらしは、なぜか淡い水色のワンピースをきて、髪は亜麻色、普通に幼女だ。(普通に幼女ってなんだ?)


他の妖怪は「マジで出てけ」の一択なんだが、この子だけは別だ。

あ、愛情とかそういうのじゃなくて、出ていったら不幸になる可能性が高いから仕方なくのやつね。


この異世界最高の高僧、鸞海寺・天澄上人の末裔に転生した俺の身体はとにかく美味いらしく、俺の髪の毛の美味さは、マ○クのフライドポテトに勝るとも劣らないとか。


「お待たせしましたにゃー!本日の朝食でございますにゃー!」



そう言って、キッチンから、白飯と味噌汁、目玉焼き+ソーセージの載ったおぼんを、一人のJKが運んできた。残念ながらこいつも人間じゃない。


妖怪、化け猫だ。


ババババババババアーーン!!!!


ーーーー《化け猫(ばけねこ)》ーーーー


猫又(ねこまた)と混同されることの多い、猫の妖怪。江戸時代は「化猫遊女」という花魁の物語で人気を博した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


この化け猫は、ある事件でうちに居着いてしまった野良猫で、飼っていたら妖怪だったパターンだ。

今更追い出すわけにはいかず、朝飯を作らせている。


「化け猫、さっき鮭を焼いてたよな?」

「にゃー?」

「にゃーじゃねえ!!てめえ、また食ったな!?」

「猫に魚焼かせたらそうなるにゃろ?」

「悪びれろコラ!」

「そんにゃことより、猫にも舐めさせるにゃ!!」

「うお!?」


化け猫が俺に飛びかかって押し倒す。


椅子が倒れても座敷わらしはmy髪の毛をはむはむし、化け猫は俺の制服のベルトをカチャカチャし出した。


「化け猫!おまえ何ズボン脱がそうとしてるんだ!?」

「前から狙ってたにゃ!今朝はここを舐めるって決めてたにゃ!」

「おま!?」


むくっ。


どことは言えないがドキドキしてしまう。ちょ、まじか、ちょ、まじ?うそみたいだろ?おれ、前の世界もこの世界も、変わらず童貞なんだぜ?


ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ!!!!




「ぬほおおおおおおおおおおおおおおお!」


ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ!!!!


「あ、やめ、あ、やっ!うっ!うわ!!」


「うますぎるにゃ!絶品にゃ!!!!」


化け猫は、全力でざらついた舌で、俺のヘソを舐めまくっていた!


「どこ舐めてんだぁ!!!!!!!」



俺は学校に遅刻した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界転生妖怪譚~美少女妖怪たちが御馳走(オレ)を食べようとヨダレ垂らしておしかけてきます!!って、そこ!耳をはむはむするな!!~ ハチシゲヨシイエ @yosytomo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ