第66話 外伝① お正月 ※本編とは関係ありません
「あけましておめでとう!」
「おめでとう!!輝」
「「おめでとう!」」
今日はいつもとは違う場所に振袖姿で集まっていた。
「今日は、お正月ならではの催しをするぞ!まずは餅つきだ!」
そう言って俺はキネと臼を準備する。
臼の中にもち米を入れ
「このもち米をこのキネでつく人のつき手の相手をして餅を返す人の返し手の二人でする。まず、俺と隆貴でやってみるか」
「分かりました」
そう言って隆貴は振袖の腕を捲り、キネを構える。
「よし、じゃあ俺が水を付けてこのもち米をひっくり返すからその後にキネで叩いてくれ。行くぞ!」
俺はそう言って手を水で濡らし、もち米に手を持っていく。
餅をひっくり返し、
「隆貴、叩け!」
「うす!」
隆貴は狙ったのかそれとも偶々なのか分からない絶妙なダジャレ&明るい返事と共にキネを大きく振りかぶると、次の瞬間、目の前を目にもとまらぬ速さでキネが通過した。
「痛って~~!!!!」
餅をつかずに、返事通り臼を叩いた隆貴の手には作用反作用の力でものすごい衝撃が与えられたのかキネを放し隆貴は痛がった。
「隆貴。・・・手加減っていうものを覚えてくれ」
「隆貴は戦力外交代。陽菜。」
「うん!」
そう俺が言うと、陽菜は待ってましたと言わんばかりに返事をした。
それとは反対に隆貴はシュンとしてしまった。
それから隆貴と陽菜を交代させ、陽菜がキネを持つ。
「よし陽菜。準備はいいか?失敗例はさっき見たから大丈夫だな?」
「はい!」
「行くぞ~!」
「ほい!」
「はい!」
「よいしょ!」
「はい!」
「もういっちょ!」
「はい!」
陽菜と俺はテンポよくもち米を付いていき、餅も餅らしいもちもち感が出てきた。
「よし、もうできた。食べてみるか」
俺はそう言って餅を臼から取り出し、机の上に広げ食べやすい大きさに分けて丸めていく。
餅を隆貴、陽菜、菜月に配り、
「「「いただきまーす!」」」
「おいし~!」
「うまくできたな」
「おいしいですね」
「もっちもち~」
口々にお餅の感想を言い合う。
感想を聞く感じうまくできていたようだ。
「腹も膨れたし、少し動くか。次は羽子板をしよう!」
「ルールは簡単だ。この羽根を落としたチームの負けだ。チームは俺と陽菜、隆貴と菜月のコンビでいいだろう。もちろん羽を落とすと罰ゲームも待ってるから覚悟してね」
「分かりました。輝の足を引っ張らぬよう頑張るね!」
「罰ゲームいいね!」
「隆貴のせいで負けたら承知しないからね」
「よし、じゃあ始めるぞ。」
そう言って俺らは3メートルぐらいチームで距離をとる。
そして、俺は持っていた羽根を隆貴達に向かって打つ。
菜月はあたふたしながらも羽根をしっかり羽子板で打ち返してくる。
打ち返された羽根は俺の方に飛んできたので、優しく返す。
今度は隆貴が少し強めに打ち返してくる。
羽根は綺麗な放物線を描き、陽菜の頭上に向かって飛んでいく。
陽菜は軽やかに飛び上がり、羽子板を振りかぶり
「行け!渾身のジャンピング・ショット!」
そう言って、羽子板を思いっきり振る。
”スカッ”
陽菜の振った羽子板は無情にも空を切る。
羽根は静かに地面に落ちる。
それと同時に陽菜も着地する。
「ひなさん?」
「ご、ごめ~ん。今大きな風が吹いた気がする!」
「いい訳など通じるか~!」
「やった~。隆貴!ナイス!」
「おう!」
「輝。罰ゲームって何なの?」
菜月たちは喜びながらそう聞いてきた。
「ば、罰ゲーム?な、な、何の事かな?」
「とぼけてもダメ!私しっかり覚えてるんだから!」
「罰ゲームは…………。」
「ははははっはははっ!」
そんな声で笑っているのは右手に筆を持っている菜月。
その前には俺と陽菜が正座で座っている。
それぞれの顔には墨で髭やまつ毛と様々に書かれている。
「菜月、覚えてけよ。次は必ず…。」
それからは羽子板を一日中して、それぞれの顔には墨でいろいろなものが描かれていた。
それぞれの顔を見合い、笑いあい笑いの絶えない正月となったのだった。
――――――――――
この度は数ある作品の中から
「迷子の妹を送り届けた着ぐるみの中の人が俺だと気づいたクラスのマドンナがぐいぐいやって来る」
を読んでいただきありがとうございます!!!!
思い切って書き始めた作品のため、どうなるか分かりませんが頑張って書きたいと思いますので、続きが読みたい!など思った方はぜひ、★やコメント、♥などを付けてくれると嬉しいです。
今後こうなって欲しい、かわいいなどコメントを残してくれると嬉しいです。
皆さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
みっちゃんでした( ´艸`)
次の更新予定
【長編】迷子の妹を送り届けた着ぐるみの中の人が俺だと知ったクラスのマドンナがぐいぐいやって来る みっちゃん @nanashi689
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