NOと言えない僕が、言えるようになるまで

白鷺(楓賢)

本編

私は長い間、NOと言うことがとても苦手でした。友人や同僚から誘われた集まりに行きたくないと思っても、断れずに顔を出したり、欲しくもない商品を勧められてつい買ってしまったりしていました。そんな経験が積み重なるうちに、気がつけばストレスが溜まり、自分自身を見失っていることに気づいたのです。


振り返ると、NOと言えなかったことで多くの時間やお金を無駄にしていたことに気づきました。断ることができずに無理をしていた結果、心の中で「本当はやりたくないのに」と悩み、ストレスを増やす原因にもなっていたのです。


### NOと言う訓練の始まり


このままではいけないと思い、私は少しずつNOと言えるように自分を変えていく訓練を始めました。まず最初に取り組んだのは、少し距離を置くことです。連絡を絶ったり、普段関わる人との距離を調整することで、自分の本当にやりたいことをじっくり考える時間を持つようにしました。


自問自答する時間の中で、私は「NOと言ったら嫌われるんじゃないか?」という不安が根底にあることに気づきました。この考えを変えることが、自分を守るための第一歩だと感じたのです。NOと言うことは、決して相手を拒絶することではなく、自分に正直になることだと理解しました。


### NOと言うことの大切さ


私は次第に、NOと言うことの大切さを実感するようになりました。自分の意思に反した行動は、結局自分を追い詰めることになります。自分の気持ちに正直になり、嫌なことを断ることができるようになると、少しずつストレスが減り、自分らしさを取り戻していきました。


NOと言うとき、理由を詳しく説明する必要はありません。シンプルに「行けません」「できません」とハッキリ伝えることが重要です。それでもなお、要求が続く場合は、思い切ってブロックし、連絡を完全に断つことも必要です。これにより、自分の心と時間を守ることができます。


### 自分を守るために


NOと言うことは、自己防衛のための重要なスキルです。無理をして他人に合わせることは、自分を犠牲にすることであり、長い目で見れば誰のためにもなりません。私自身が経験して学んだことは、NOと言う勇気を持つことで、ストレスから解放され、自分らしい生き方ができるようになるということです。


このエッセイを通じて、同じようにNOと言えずに悩んでいる方々が、少しでも自分を大切にし、自分に正直な選択ができるようになれば嬉しいです。自分を守るために、そして心の平穏を保つために、NOと言う勇気を持ちましょう。

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NOと言えない僕が、言えるようになるまで 白鷺(楓賢) @bosanezaki92

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