ユウコ
月白 雪加_TsukisiroSekka
ユウコ
ぼくは、ずっと『ユウコのいちばん』だった。
だって、たくさんぎゅーしてくれた。
ちゅーだってした。
ユウコがかなしいときも、うれしいときもぼくはいつもそばにいた。
ユウコをはげますことはできなかったけど、ユウコはぼくをみつめては「ありがとう」とわらってくれた。
そしてまいばん「だいすきだよ」とぎゅーしてくれた。
ユウコがふくをくれたことも、
けがをなおしてくれたことも、
ぼくは、ぜんぶおぼえてる。
ぼくにせかいをおしえてくれた。
ぼくはユウコがだいすきだ。
でもユウコは、ぼくいがいに、たいせつなひとができたみたい。
ユウコがどんどんはなれていく。
ぼくはすこしさびしかった。
あるひユウコは、けっこんするといいだした。
けっこんがなにかわからなかったけど、
ぼくはユウコのうれしそうなかおをみて
あんしんした。
きっといいことなんだろう。
そしてけっこんしきになった。
ぼくはユウコのまえにいる。
ユウコは、いままででいちばんかわいかった。
ぼくもユウコてづくりのふくをきた。
うしろにいるユウコはしあわせそうにはなしていた。
ぼくはまた、さびしくなった。
ユウコがいなくなったらぼくはどうしたらいいんだろう。ひとりきりかな。忘れられちゃうのかな。すてられちゃうのかな。
かなしいな。
でもぼくはユウコがわらっているのがいちばんだ。それでいい。
ぼくはさいごのユウコのこえをきいていた。
「ねえ、これは優子の?」
「うん!私のお気に入りで、大好きなの!」
「そっか、かわいいなぁ」
「だよね。私の一番なんだ!
そうだ!新居にも連れて行ってもいいかな?」
「もちろん。」
「やった!ありがとう遼くん!」
ふたりはぼくをみつめてうれしそうにほほえんだ。
それからユウコはぼくをもちあげて
「これからもずーっといっしょだよ!」
といってくれた。
ぼくはそんなユウコがだいすきだ。
ユウコのえがおがだいすきだ。
ユウコ 月白 雪加_TsukisiroSekka @tsukisiro0217
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