9月でした。
「いやはや。今日も『とある創作部』はちゃめちゃで面白かったなぁ」
とか言いながらイマジナリー文芸部の部室のドアを開ける。開けたドアのすぐ内側に立っていたのは、頬をぷっくり膨らませたイマジナリー部長だ。
「ずいぶん楽しそうだこと?」
「あ、いや」
「そうだよね。あっちはリアル部員だもんね。こっちはイマジナリーのわたしだけだもんね」
じっとりと目を座らせた部長が言う。もちろん、こんな部長もすごく、良い。
こんこん、と古ぼけたアパートのドアがノックされる。チャイムを鳴らさないのは多分、元部長の当てつけだ。大学構内、同じゼミの女の子と立ち話をしていて、ふと視線を外した先で頬を膨らました部長、いや今はジーナ先輩と目が合う。ぷいっ、と音が聞こえるくらい顔をそむけた先輩は、その日の夜にアパートのドアを叩いた。
「えーと、こんばんは。いらっしゃい」
ドアを開けた手の横を先輩はするり。無言の先輩は6畳間の入口に立って背を向けていた。
出しっぱなしのコタツに座り、そんな先輩をバツの悪い気持ちで見上げる。壁にかかったカレンダーをただじっと見つめる先輩に「どうぞ座って下さい」と言った。
「ぬりや君、わたしは怒っています」
やっと口を開いた先輩は何故か隣に正座する。小さなコタツは隣に並ぶととても窮屈だ。肩と肩がそっと触れると、先輩の白いタートルネックのセーターが、ぱちっ、と言って小さな青白い火花を走らせた。
よし、良い。
「良い、じゃないわよ。でも、相変わらずなようで部長さんはちょっと安心しました」
「まあ、僕は僕ですのでね」
さて、そんなイマジナリー文芸部であるが、9月も終わりと言う事で恒例の振り返りをしてみようかと。と言うわけで、じゃん♪
①『事象の地平に紅く輝く家族愛』(イ)
https://kakuyomu.jp/works/16818093084013385881
②『部誌「空、想ふ」』(イ)
https://kakuyomu.jp/works/16818093084144159219
③『すいみん'』(イ)
https://kakuyomu.jp/works/16818093084441715812
④『彼女がそうすると分かっていて』
https://kakuyomu.jp/works/16818093084861083253
⑤『僕らの恋なんて4行くらいだ。』
https://kakuyomu.jp/works/16818093085194876938
⑥『揚げ物屋の娘』
https://kakuyomu.jp/works/16818093085548406366
「ふふっ。先月に『書けないんです』なんて部室に飛び込んできたのに。まあまあ書けるようになったのかな?」
とは言ったものの、半分くらいはイマジナリー文芸部関連だ。ひとつずつ上げるのもアレなのでタイトルの横に『(イ)』と入れてみた。スクロールしてご確認あれ。
今月に関してはとにかく『部室「空、想ふ」』を公開出来たのが大きい。ご協力頂きましたイマジナリー諸先輩方にお礼申し上げます。
そして11月まではまだまだ掲載作品を募集しておりますので、ぜひぜひご気軽に♪
『イマジナリー自主企画募集要項』
https://kakuyomu.jp/works/16818093083469966727/episodes/16818093084149317543
と言った宣伝をしましたところで次回、続く。
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