異世界に来たので旅をしてみようと思います。

@syakecr

第一章ヴェルディア編

第一話 静かな星の下で 

 「この扉はなんだ?」

〔相当古いものだな。ちょっと開けるぞ。〕 

リグが地面にある扉を開けた。中は暗くて見えない。まあ今が夜なのもあるが。

〔相当重いな。ずっと開けられていなかったのか?〕

《入ってみようぜ。》

三人は恐る恐る入っていった。

「灯りつけないとみえない。」

三人は小さい懐中電灯で灯りをつけた。

〔うわっ、めっちゃきたねえ。でも天井高いな。横幅もあるし。〕

《奥に続いてるな。結構あるぞ?》

「まあ歩こう。」





 「涼しー。これどのまで続いてんだ?」

《何かの道だったのかな?》

〔奥まで行ったら帰ろうぜ。〕



 三人はまだ歩く。

《相当続いてんな。複雑に。》 

「こういう場所すきなんだよなー。廃墟みたいなや          つ。」

〔明日どうする?サッカー見にいこうぜ。〕

《家でゆっくりするのもいいんじゃない?》


 坑道のような雰囲気で、時々部屋があったり広場があったりする。三人は部屋を見つつ、進んでいった。


 〔何分ぐらい歩いた?〕

《5分ぐらい。ここは何かに使われていたのか?》

「この地域は産業革命ぐらいの頃、労働者が多かったから、炭鉱とかかもね。相当扉が開けられてなかったから、何か有るかもね。」 

〔何か面白いもの見つけたら持って帰るか!〕





 


 後ろから相当大きい物音が聞こえる。

〔なんだ?夜だから誰も入ってこないだろ。〕



 まだ物音がする。

〔ちょっと戻ろうぜ?〕

 三人が戻ろうと振り返ると、15m程奥に誰かがいる。

《あれだれだ?》

〔おい!誰だ!〕

 その何かはこちらに向かってくる。

「おい危ないから逃げるぞ!走れ!」

 三人は走る。そいつは走ってくるが俺たちの方が速い。

「右だ!」道が4つに分かれていて三人はそっちに行った。


 〔あいつ何だよ!こっちに向かってきやがって!〕

「捕まったらなにされるか分からない。とりあえず逃げて、危害を加えられたら、その時だ。」

三人はそいつから差をつけて部屋のような所に入った。



 〔あいつに、ここに俺達がいるって気づかれないよう静かにしよう。〕

この部屋にはベッドと机がある。がそんなに広くはない。

アレンは机に向かう。机の上には変なマークが描いてある紙が置いてある。

「国旗か?」


《おい、見ろ。血だ。不気味すぎる。》

扉の前の壁に血が飛び散っている。

〔なあ、何でこのベッド膨らんでんだ?何か臭いし。〕

リグが布団の上から触ってみる。

〔固い。めくってみるか。〕

「見るな。多分それ死体だ。ベッドの下を見てみろ。」

ベッドの下に何かの液体が垂れていて、悪臭を放っていた。







 足音が聞こえ、三人は息を潜める。

「行ったか。外に出て入り口に戻ろう。」

〔《ああ。》〕


 三人は外に出た。 

「よし。戻ろう。」

戻る道の先には、さっきのやつがいる。

〔くそ!まだいやがったのか!奥へ行くぞ!〕 

三人は走っていく。奴も追いかけてきている。

「全力で走れ!」





 〔目の前の所に入れ!〕

三人は通路の奥の場所に入った。何か神々しさを感じる。空気が冷たい。

その場所の真ん中には大きい穴がある。底は暗くて見えない。

「これはなんだ?」

〔この穴に飛び込むか?〕



《どうする追い詰められたぞ!ああ、こっちに来てる!》


奴は手に杖のようなものを持っている。奴がそれを振ると、

氷柱がこっちに飛んできて、壁に当たり砕ける。

「なんなんだあれ!?」

奴が杖を振ると、光が俺達に向かってきて、なぜだか、意識が…遠のいてく…


  アレン以外の二人は意識を失った。奴は杖を振ると、三人の倒れている床に紫色に光輝く魔方陣が現れた。アレンは意識を失うタイミングが二人より遅く、この魔方陣を見ることができた。

「うっ…なんだ……」

三人はその魔方陣の上で跡形もなく消え去った。























 アレンは夜の静かな平原に倒れていた。


「……ん…痛ててて、なんだ、ここは?」


 牧場のような広々とした平原、遠くには山が見え、

 近くに光が無いから、空に満天の星が見える。

「美しい…って二人はどこだ?」

周りを見渡しても誰もいない。

「さっきのあいつは誰だったんだ?あの魔方陣もなんだか分からないし。こんなどこにずっと居ても意味ないからどこかに行こう。」

アレンは今持ってる持ち物を確認する。

ハンカチと、あの紙だけだ。スマホとかはなくなったみたいだ。


「街に行こう。」



 アレンはあまり見ることのない景色を見渡しながら歩いていく。

「さっきのあれが魔法だったとしたら、この世界は魔法があるのかもな…とりあえず誰か仲間を探して一緒にリグとライスを見つけよう。」


 アレンは看板を見つけた。[→……12……]

「ん?看板かこれ。この文字、みたことあるぞ?とりあえず歩こう。」

「街があったら何か食べよう。」


 

「すごい、綺麗だ。ここがこの世界の街か。」噴水のある広場を中心に縦横斜めにレンガの家などが並んでいた。広場には誰もいないからとても静かだ。

「もう皆寝ている時間か、少しこの街を回ってみるか。」

 広場の奥には、 三階建ての大きい屋敷がある。役場的なものだろうか。広場の横の通りには、お店らしきものがいくつかある。奥までいってみると広い農場があった。

「ここで食べ物を育てているのか。あっちには馬車が並んでいるから馬車で他の街などに移動しているのかな。」

 一周して広場にもどってきたら、目を閉じて、広場のベンチで寝ている青髪の美しい女性がいた。この街について何か聞いてみるか。

「すいません、この街は何てところですか?」

 彼女は驚いたように目を開け、首を傾げる。

[………?]

彼女はまた目をつぶり、ベンチに寝転んだ。




 はあ、眠れない…いつもの場所に行って、外の風にでも当たろうかな。 

 。少女は、広場に歩いていった。

[ふう、気持ちいい。]

 少女は目を閉じて、ベンチに寝る。夜遅いから、昼には聞こえてこない自然の音が良く聞こえてくる。誰かが歩いている音がするけど、こっちに来てるわけではないでしょ。

 いや、こっちに来ている?

「…………………?」謎の青年は私に、良くわからない言葉で話し掛けてきた。何か聞きたいの?

いや、眠い。




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