第28話
まさか・・・
まさかこの世界で
この異世界で・・・
再びお目にかかれるなんて・・・思わなかった・・・!!
この・・・・チョコレートパフェ様に!!
今俺は数量限定、1日3食まで、お値段なんとお安い魔貨1枚というこのレストランで最高級のデザートを食べている・・・!
なんという愉悦、なんという喜び、なんという奇跡!
割と半分位諦めていたチョコレートパフェが俺の目の前に!!
名前はなんか違うみたいだが、どう見てもこれはパフェです本当にありがとうございました。とてもきれいなガラスの器に所せましとホイップクリームが載せられ、大小さまざまなフルーツが盛り付けられ、その色とりどりの上から黒いチョコがかけられている・・・!
これは間違いなくおいしみですね
これ以上ないおいしみですよ。これが嫌いだという奴は俺に下さい。俺が食います!!
きっと今の俺は目が輝いている事だろう、なんか周りの客が俺を見ているが・・・いや多分このおいしみパフェを見ているのかもしれない。
なにせパフェだもんな! 前世じゃ結局1回しか食べた事ないからな! それでも覚えているあのおいしみ。
何故俺が店に入れてるとかそう言うのは今はどうでもいい!
俺は今日この日、このおいしみを食べるためにここに来たのだ!
という訳で俺、行きます!!
ここまで長くする理由あるんですか? と言わんばかりのスプーンでクリームを掬って一口ぱくり。
口内で溶けていくクリームがあま・・・あま・・・・なんやこれ甘すぎる!? いや、ホイップクリームはあまいんもんだけどさ? 違う、これくどいレベルで甘すぎる!? お、おいしみではあるが、沢山食うもんじゃねぇこれ・・・!?
流石に一口でくどすぎたのでフルーツを一口・・・あっっっっっっっっっっっっっっっっっまっ!? 歯が浮きそうなレベルで甘すぎるんですが!? まさかこれフルーツ全部アカンレベルのシロップか何かに付け込んだんじゃなかろうか。
まずくはない、まずくはないが、ちょっと具合悪くなりそうなレベルの甘さだぞおい?? 見た目は可愛いチョコレートパフェなのにクリーム一口とフルーツ少しでがつんと来たわ。
酒場でたべたおいしみの甘さが1だとすると、このパフェの甘さは87くらいです、ちょっと連続食べるのは気合が必要だわ。
え? これで魔貨1枚なの?? これがレストランで大人気なの?
おいしみ・・・俺のおいしみぃぃぃぃ!!
※
うっぷ・・・気持ち悪い。
な、なんとか上部分をゆっくりと食べたぞ・・・・この上部分をクリアするだけで俺ぁ、この世界に来て初めて全力を出した気がするお・・・
くどすぎる甘さって実はつらいのね。俺初めて知ったよ。
てかこれが大人気なのか・・・もしかして俺が甘すぎると感じるだけでこの世界の皆はこれで問題ないのか。謎が深まるばかり・・・い、いや待てよ?
こういうの俺覚えてるわ。
異世界転生ものとかで、甘い物ってのは超が付く程の高級品でな? ごくわずかな甘味ですら一般人には手が届かなくて、だからこそ甘い物ってのは高いって相場が決まってる。一応この世界でも甘いおいしみは基本高いからな。
俺的酒場1位のおいしみも高いしなぁ。で、甘い=高い、そしてその甘さをふんだんに・・・食べるのはどうせ超が付く程のお金持ちだからレジェンド級に甘くなる。絶対身体に悪いだろレベルの甘い食い物が寧ろお貴族様の食べる物って言うのを、ラノベとかで見た事あるわ。
まさか・・・この世界もそうなのか。甘すぎる菓子っていうのが基本で、日本で食べる様な程よい甘さなんてのは期待してはならないと・・・
そ、そんな・・・おいしみを、俺はおいしみを楽しみにしてたのに。
あまりの悲しさにテーブルに突っ伏した俺が再起動するまでに、20分以上はかかるのであった。
あ、なんとか全部食べたぞ?
でももういいや。パフェ嫌いになりそうだったから。
やはりここは俺が! 俺がおいしみのパフェを作るしかねぇ! 才能ないから無理や!? あ、でも指摘は出来るかも・・・店主を! 店主を呼べい!!
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