祠の願い

 静かな山奥、古びた祠がひっそりと佇んでいた。村人たちは決して近づいてはいけないと言い伝えていたが、ユリはその祠に引き寄せられるように足を運んだ。


 祠の中は暗く、冷たい空気が漂っていた。ユリは奥へと進み、古い木箱を見つけた。箱には奇妙な文様が彫られており、何かを封じているようだった。彼女は箱を開け、中から古びた巻物を取り出した。


 巻物を広げると、異国の文字が輝き、幽霊のような巫女の霊が現れた。


「この巻物は願いを叶える力を持っています。ただし、その代償はあなたの命です」


 ユリは震えたが、病気の母を救うために決断を下した。彼女は巻物を握りしめ、心の中で願いを込めた。


 次の瞬間、巻物が輝き、ユリの体は宙に浮かんだ。視界が暗くなる中、最後に見たのは、母の微笑みだった。


 村では母親の病気が完治したのだった。

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