百円おじさん
白兎
百円おじさん
これは私が小学生の頃のお話です。
この頃って、ちょっと不思議な事に興味が沸きます。その中でも、都市伝説というのは怖いようでもあり、見てみたいという好奇心が芽生えます。
この頃の私が住んでいたのは、都会ではないものの、田舎でもない、そんな町でした。その町の駅に出没するという謎のおじさん。その名も「百円おじさん」。なぜそう呼ばれているのかというと、通行人に「百円ちょうだい」と言うのだそうです。誰彼構わず「百円ちょうだい」。羞恥心があれば出来ない事だろう。どんな人なのか? それとも人ではないのか? それはまるで都市伝説のようで、そんな噂を耳にしたら、そのおじさんに遭遇してみたいと思ってしまう。けれど、小学生が電車に乗って出かける用事もないし、自宅から自転車で三十分かかるのだ。行ってみて居なかったら無駄足だと思うと、行く気にもならず、結局百円おじさんにはお目にかかれなかった。
中学生になったら、駅まで行くのも苦ではないし、街へ行くのに電車も使いましたが、その頃にはもう、百円おじさんの噂は耳にしなくなりました。
やっぱり、あれは都市伝説だったのかも知れません。
百円おじさん 白兎 @hakuto-i
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