9.樹法師タネの桜散る天地創造/星太
https://kakuyomu.jp/works/16818023214222766328
【私がこの作品を手に取った理由】
ジャンルは異世界ファンタジーとなります。天地創造……とても壮大な言葉だと思います。キャッチコピーの「灰だらけの大地をぜーんぶ花にしたいなあ。めちゃ綺麗じゃん、絶対!」も夢と希望があふれているようで、パワーがあると感じます。読んでいるうちに明るい気分になれそうだと思い、興味を惹かれました。
【私がこの作品から読み取ったあらすじ】
・十七の乙女、豊穣タネは草木を操る樹法の使い手。目にした植物を札に描くことで、その植物を自在に出現させ、操ることができる。
・世界は過去の出来事により、灰に覆われており、灰人という化物の脅威にさらされていた。灰人は灰がある限り何度でも蘇る。
・残花という見慣れない侍に出会ったのも束の間、灰人が山に現れたという報を聞き、タネは友人の根助を山頂に置いて来ていたことから、樹法で一足先に駆けつける。
・タネは灰人と交戦し、退けることができたものの、すぐに復活の兆しが出てしまう。しかし残花が遅れて駆けつけ、灰人は残花の樹法により、桜の花と化して散った。
・灰人はいずれまた現れてしまうため、残花に促され、タネは山頂の御神木を復活させ、周囲の灰を草木と変え、浄化させる。
・世界中の焼け落ちた御神木を治す使命があると母から伝えられ、残花とともに村を旅立つこととなる。
現時点で公開されている3章中、2章まで読み、以降のレビューはそれを前提としたものとなります。
【私がこの作品に感じた良い点】
なんといっても、独創的な世界観が良いと思います。樹法という草木を操る概念があり、それは見た目にもイメージしやすく、作物の実りや花の美しさといった草木が持つプラスのイメージを想起させ、世界観の大きな柱になっていると感じます。序章はその世界観の説明を物語に落とし込みながら、うまく読者に提示できていると感じました。それを表現する文体も一貫して味わい深いものとなっており、まるで良質な和風ファンタジーゲームのチュートリアルを見ているような、そんな感覚になりました。
キャラクターも立っています。食いしん坊の根助、元無双の女武将の母、一見して醒めた印象の残花など、登場からわずかで魅力を感じさせるものとなっています。特徴的な行動やセリフ回しなどが、ごく自然な展開の中で行われていると感じました。主人公のタネはどちらかというと個性が控えめな方だと思いますが、一人称視点なのであまり突飛な人物ですと、感情移入が難しくなりそうなため、このぐらいの塩梅がちょうどよいと思います。
【私がこの作品に感じた悪い点】
独創的な世界観を楽しむ上で支障になっている要素はあまり感じられませんでした。この作品もまた素晴らしいものであると思います。
悪い点ではないですが、残花の記憶を随所に入れていることは、印象的ではありますが想像する部分が多く、少しモヤっとする人がいるかもしれません。私の読解力ではなんか意味深だな、ぐらいで終わっているように感じています。いずれ回収されるタイミングがありそうに思うのですが、その時には読者の記憶から薄れているはずで、直前に残花の記憶のまとめみたいな展開があったらうれしいなと感じます。しかし、その辺は読者の感覚も千差万別ですし、作者さんの匙加減レベルの話ですので大したことでもありません。
【カクヨムに公式に投稿する場合のレビュー内容】
・ひとこと紹介
花が咲き誇る情景が目に浮かぶような美しい和風ファンタジー
・レビュー本文
なんといっても、独創的な世界観が良いと思います。樹法という草木を操る概念があり、それは見た目にもイメージしやすく、作物の実りや花の美しさといった草木が持つプラスのイメージを想起させ、世界観の大きな柱になっていると感じます。
序章はその世界観の説明を物語に落とし込みながら、うまく読者に提示できていると感じました。それを表現する文体も一貫して味わい深いものとなっており、まるで良質な和風ファンタジーゲームのチュートリアルを見ているような、そんな感覚になりました。
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レビューは以上となります。全く個人の感想なのですが、このレビューを見られた作者さんは【カクヨムに公式に投稿する場合のレビュー内容】を公式に投稿してよいものか、ご意見をいただければ幸いです。ちなみに私がレビューする時の星は必ず★★★です。
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