おまけ話:完結後のその二人
卒業式を行ったあと、全力で葵さんが
彼女らは残り一ヶ月もない高校生という身分を楽しむ……というより、引越し作業や旅行に行く物が大半だった。
葉涙と葵は引越し作業に励むのだった。
「葉涙、そこの荷物は2番のダンボールに入れて。あ、それは本って書いてあるところ。あ、それそこじなゃい」
彼女らは大学のために少し移動をした所に同棲をするという約束を交わしたのだ。
この作業を黙々と3時間行い、あらかた荷物がまとまった。
「とりあえずこんなものでいいんじゃないかな。あとは1時間後に業者さん来るから、それまで休憩しよう」
「つ、疲れた……」
「葉涙って見た目の割に体力ないよね」
「うっせ」
「お茶でも出そうか?」
「欲しい……」
わかったーと返事だけして、葵はリビングに戻って行った。
数分後に、暖かいお茶が提供された。
「葵はやっぱお茶汲みが上手だよな。なんというか、安心する感じがする」
「そう? 特に何か入れているとかはないよ?」
「じゃあわかりません」
そういってお茶を啜る。
のんびりとした感覚を感じるそのお茶に安心感がある。
そして1時間後、引越し業者が来て、荷物を全て引き取り、移動後に荷解きを行い、一旦引っ越しを完了させた。
「さて、家具とかも全部あるわけなんですけど、今は何がしたいとかありますか」
「何がしたい……?」
「ほら、ハグしたいとかあるじゃん。そういうのないの」
「今は疲れたからお風呂に入りたいかな」
「じゃあ一緒に入ろうか☆」
「は?」
またぶっ飛んだことを言い出す葵さん。
まあ通常運転ではあるけど、混浴はいまだ未経験だった。
「でも、心の準備がまだ……」
「乙女か。何度も交わっているのにその言葉がよく言えるね」
「確かにそうだけと意味が違うじゃん。あと交わるって言わないで」
単語的に不謹慎すぎる。
「そんなことはどうでもいいから。早く一緒にお風呂入るよ」
「はいぃ……」
引きずられるようにお風呂場に連れられていく。
そのまま二人でお風呂に入り、コッテリと絞られた。
ーーーーーーーーー
その後、大学に入学し、誠心誠意と勉強をし、仲良くなったりたまに喧嘩したり、でも仲が良かったり。
そんな関係が4年間続き、同じ企業に入社した。
その後も関係性は順調で、入社して二年目には結婚式を挙げたいと葵が言っていたので、挙式をあげることにした。
「勢いで結婚式したいって言ったのに、葉涙はすぐにしてくれるね」
「可愛い嫁のためならすぐにでも行動しないとダメだと感じたからです」
「その志はいいんだけど、結婚したいって言ってまだ2ヶ月ぐらいしか経ってないよ? 貯金とかどこから出してきたの?」
「そこは抜かりなく。なんのための貯金だと思っているんですか」
「あ、そういうことね……」
すっげえニマニマしたウェディングドレス姿の葵さんだ。
「にしても、葉涙がこんなにタキシードが似合うとは思ってもなかったよ」
「こんなにもとは失礼だな」
「実際、タキシードきた姿見たことないから、なんか新鮮」
そう言って葵さんはカメラを出してきた。
おいそのカメラどこから手に入れた。
そんな言葉を言う前に大撮影大会が始まった。
「なんだこれ……」
スタッフさんもニコニコしながら「仲がいいですね」と微笑んでいる。
おいそこの凶暴化した犬をなんとかしてほしい。
そしてその後、「時間ですよ」と言われ、葵が渋々撮影会をやめると、会場に向かった。
会場には、高校の頃の同級生や葵のや両親、俺の親父、会社の上司などが座っていて、皆盛大な拍手にて俺たちを迎え入れてくれた。
その後も何もアクシデントがない状態で結婚式が進み、夫婦の言葉の時間になった。
すると、葵が何かを言いたげにしている。
「みなさん、今日は私たちのために時間を咲いていただいてありがとうございます。こんにちまで育ててくれたお父さん、お母さん、クラスメイトのみんな。会社で教育をしてくれた上司方々。今までおせわになりました。でも、私たちが結婚するからと言って関係が切れるわけではありません。いつまでも皆さんと仲良くしていきたいと思っております」
最後に深呼吸をして葵が一言。
「みんな、大好き」
会場が拍手で轟いた瞬間だった。
「それでは、誓いのキスをお願いいたします」
そうして誓いのキスをしたところで、結婚式が終了した。
これからもこの二人と友人たちで今後の人生を歩んでいくんだ。
君とみた、あの丘で、もう一度桜を 小日向 雨空 @KohinataUla
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