心の奥底に隠れた感情が、花火の如く弾ける瞬間。タロ、負けるなよ!

この作品は、現実とノスタルジーの夏の間で揺れ動く女子高校生の心情を巧みに描いていますね。

いつ咲くかわからない主人公の玲の恋心をスノードームの弾ける花火に重ね合わせて描いているところが魅力的です。文章の端々から、玲が抱く現実の厳しさや将来への不安に心が動かされます。

そして、デリカシーが無さすぎる太郎との関係を通じて、青春の刹那がどれほど貴重であるかを感じさせます。 特に、玲が母親との会話や太郎君とのやり取りを通じて少しずつ心を開いていく様子が心地よいです。


二人はこの後どうなるのだろうか……。それとなく、不器用な太郎を応援したくなるのは僕だけでしょうか……。気だるい夏から少しずつアオハルが近づくと思える、素敵な作品をありがとうございました。