夢の終わり

「――これでよし」

 

 めくったページは、舞台のラストシーン。

 ラストシーンで好きなのは、シキシマがミサキに認識票をプレゼントするところ。

 あのシーンを見たとき、おじさんからプレゼントをもらった日のことを思い出して、思わず泣きそうになったんだ⋯⋯。

 自分が脚本に感想を書こうと思ったのも、シキシマ役の人がおじさんに似ていたからかもしれない。


「また続きがあるといいな」


 舞台の感想が書き終わったあと、なんとなくつぶやいていた。

 あの日見た舞台の物語、そのときの感動。

 キャストたちの笑顔や、舞台上での息づかい。

 見たこと、感じたことすべてを思い浮かべながら、最後のページを閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

キズナコーストガード スマ甘 @sumaama

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画