第25話 あやかし手芸クラブはまだまだ続く!!


 手芸クラブも、何回目だろうか。

 もう桜の木は緑の葉っぱが輝き、爽やかな初夏の風に揺られている。


「今日はじゃあ、まつり縫いをやってみましょうか」


 家庭科室で、手芸クラブ顧問の堀川先生が二人に言う。

 

「まつり縫い!」


 自分の名前と一緒だ! と茉莉は思う。

 裁縫箱も可愛いピンクのリボンが付いたキュートなものを選んだ。

 クラスでもすっかり茉莉の可愛いもの好きが知れ渡って、今日もレースが裾についたスカートを履いてきた。


「並縫いとまつり縫いができれば、浴衣も縫えるようになるよ」


 紡は慣れた手付きで針と糸を用意する。


「え! 浴衣……!? 素敵!」


「苑野さんも春から随分、上手になったものね。なんにでもチャレンジするって素晴らしいことだわ。ちょっとまつり縫いの動画を出すから待っててね」


 先生はタブレットパソコンを開いて、検索している。

 

「浴衣を着て、夏祭りもいいね。盆踊り大会に着ていくんだ」


「わぁ、夏祭りかぁ」


「みんな帰ってくるからね。俺もこっちでの盆は初めてだ」


「う……あ……そっか」


 あの世から戻ってきた人達や、あやかしが大勢踊ってる盆踊りを想像する。

 今年の夏は紡と一緒に、一体どんな体験ができるんだろうか。


「もふも~~ふ、まちゅりまちゅり」


 頭の上で茉莉の名前を覚えたもふりんが、嬉しそうに跳ねる。

 

「もふりん~かわいいかわいい。おまちゅりも行こうね~」


「茉莉がまつり縫いした浴衣を来て夏祭りか……」


 二人で笑う。

 そしてクラブが終わって、家へ帰ると紡の店の前に誰かいるのが見えた。

 ゾクゾクゾクっと初夏とは思えない寒気が、冷気が二人を包んだ。


「えぇっ!? 何!?」


「……お客様かな? あやかしの……」

 

 ドロドロドロドロ……と、冷たい風が吹いて雪女みたいな女性がこちらを向いた。


『すみません~~……ちょっと相談したいことがぁあ』


「新しい依頼者だな、茉莉」


「うん」


「「ピンクハートへいらっしゃいませ!」」


 あやかし手芸クラブの二人はこれからも協力して活躍し続ける!!

 まだまだ紡のお店開店や、もふりんの成長、そして茉莉の恋心!?

 気になることが、い~~~っぱい!

 

 茉莉と紡、次は二人にはいつ会えるかな?


 あなたも一緒に「ピンク・ハート」の二人と楽しい手芸をやってみよう!




「あやかし手芸クラブ!?リボンとレースとピンクが好きなあやかしにんげん王子がやってきた!!~トイレの花子さんの恋の未練を解決しよう!~」

 おしまい♡

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あやかし手芸クラブ!?リボンとレースとピンクが好きなあやかしにんげん王子がやってきた!!~トイレの花子さんの恋の未練を解決しよう!~ 戸森鈴子(とらんぽりんまる) @ZANSETU

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