地下の店
カウンターで
君の話を聞いていた
好きな男がいるという
恋をする者は誰でもみな
地獄に落ちるのだ
失われない天国を夢見るから
君には
悪魔の微笑があるけれど
僕はこの胸に
恋の断末魔を飼っている
だからそんな話をしたのだろう
君は泣く
好きな男が忘れられないと
恋人がいるその男のために。
幸福はそんな恋をしている限り
いつも他人のものだ
決して
自分のものにはならない
窓も無いこの地下の店で
君の涙は腐って黒くなっていくだろう
この胸の
断末魔が僕を笑う
黙っていろ
その女の涙をぬぐう必要はないと
君は出て行った
一人で僕は飲んでいる
君は誰かに声を掛けられるだろう
恋なんてするものではない
枯れてしまったバラのように
悪戯な情事の終わりは
必ず汚いものだから
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