街
街は
もう、どこに行っても
僕のうずめた死骸だらけだ
花を手向けることも無く
僕は
そこここに葬り
今はどこに誰がいるのかもわからない
あの時の
微笑み
あの時の
涙
あの時の
抱擁
僕は死んでもいいとつぶやいた
彼女たちは笑ったけれど
その方がよかっただろう
こうして街に出るたび
恋の亡霊に出会うくらいなら
ふと
すれ違う
女たちの香りに
彼女らはよみがえる
僕はそのたびに
低く笑うのだ
堕天使の羽ばたく音色に
カフェで僕の前を行き交う女たちに
さようならをいう
彼女たちは亡霊のイデア
美しく今日も装い
風に吹かれて優雅な光を放つ
そこは悪魔の谷
それでこそ優しさも素直に喜べる
でなければ
誰に恋が訪れるというのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます